1位になったのは、印刷機専業メーカーの小森コーポレーション(6349)。前期(2025年3月期)末の保有現預金は481億円。借入金などの有利子負債は少なく、短期保有の有価証券なども加味したネットキャッシュは491億円。平均月商の5.3カ月分に相当する実質的な手元資金を有している計算だ。
一方、時価総額は763億円で、ネットキャッシュ倍率は1.55倍にすぎない。純資産ベースの株価指標であるPBRも0.66倍と1倍を大きく下回っており、現状の株価は財務面から見る限り、非常に低位だ。
足元の業績は好調で今2026年3月期は年間配当を70円と前期より2円増やす計画。配当性向は今期予想ベースで58%と決して低くはないが、財務的には株主還元をもっと増やせる余力が十分ある。
無借金経営でキャッシュリッチ
2位は自社で企画・開発するPB商品の卸売りを主力とするドウシシャ(7483)。無借金経営で、ネットキャッシュは548億円と平均月商の5.7カ月分に上る。一方、時価総額は859億円。ネットキャッシュ倍率は1.57倍、PBRも0.92倍で解散価値の1倍を割り込んでいる。
こうした状況を受け、同社は5月に「配当政策の基本方針の変更」と題するリリースを発表。配当性向(期間利益に対する配当割合)50%を目安とする還元方針を公約に掲げ、さらに「適宜、市場環境・資本効率を勘案して自己株式の取得も検討して」いくと宣言した。新方針は今2026年3月期から適用し、年間配当を100円と前期から15円増やす計画だ。
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