【水原一平氏ついに収監】賠償金26億円返済の行方「一生かけても払いきれる額ではない」一方で巨額の返済が”免除”の可能性も
ここまで有名人となった水原氏が手記や回想録を出版すれば、ベストセラーとなる公算が大きい。そこで参考になるのが、1995年9月に表沙汰になった「大和銀行巨額損失事件」の中心人物であるトレーダー、井口俊英氏だ。
大和銀行(現りそな銀行)ニューヨーク支店の債券トレーダーだった井口氏が、米国債投資の失敗で約11億ドル(当時のレート換算で約1100億円)もの損失を出した。
水原氏も井口氏も、アメリカ滞在歴が長い。水原氏がロサンゼルスの高校を卒業したのに対し、井口氏はミズーリ州立大学群を卒業するなど最終学歴もアメリカで、英語も堪能だ。
水原氏は違法なスポーツ賭博で4067万ドル(約59億円)の借金を抱え、井口氏は債券の簿外取引で約1100億円の損失を出した。桁は違うが、損を取り戻そうとして深みにはまり、取り返しがつかなくなった点も酷似している。
印税で数億円は稼げる?
その井口氏は、当初ニューヨークの連邦矯正施設に収監されたが、途中で水原氏と同じ、ペンシルベニア州アレンウッドの施設に移され、合わせて3年強服役した。
井口氏はしかし、刑期を漫然とやり過ごすことはしなかった。収監中にまず、手記『告白』を出版。出所後も、受刑者仲間から聞いた身の上話を基に、刑務所内暴力の実態を世に問うなど、精力的に執筆した。
井口氏のような文才が水原氏にあるかは不明だが、ゴーストライターに依頼する手もある。アメリカには有名人の執筆企画を得意とする専門弁護士など指南役もおり、その気になれば話はとんとん拍子に進むだろう。
日本では、仮に単価2000円の本がベストセラーとされる10万部売れたとすると、印税率10%なら収入は2000万円(課税前)となる。ちなみにSTAP細胞騒動を起こした理化学研究所の元研究員、小保方晴子さんの手記『あの日』の場合、発売後9カ月の時点で印税は3600万円(同)と推定されていた。
一方、アメリカでは超有名人の場合、出版による収入は2桁億円もあり得る。例えばビル・クリントン元大統領は、回想録『マイライフ クリントンの回想』の執筆で1500万ドル(発売当時の2004年のレートで約16億円)を前金で受け取った。
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