【水原一平氏ついに収監】賠償金26億円返済の行方「一生かけても払いきれる額ではない」一方で巨額の返済が”免除”の可能性も

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自らも証券法違反で1年半、連邦刑務所で服役した経験があり、現在は禁錮刑を科された被告人らにアドバイスしている元証券ブローカー、ジャスティン・ペーパーニー氏も、自身のユーチューブチャンネルで「被告人が刑務所に行きたくない、刑期を短くしてほしいと考えているのは裁判官にはお見通しなのだから、慈悲や許しを請うても無駄」とし、水原氏の書簡は「悪手」だったとコメントしている。

現在40歳の水原氏にとって、本来なら日本人大リーガー専属の通訳として人生の中で最も脂の乗り切った期間となるはずだった。家族とも離ればなれとなる4年9カ月は、かけがえのない時間の浪費でしかない。

さらに水原氏には、約26億円という莫大な額の返済が待っている。収監中、労働の対価として金銭が支払われ、返済に一部は充当されるが、わずかな額にしかならない。BOPによれば、連邦刑務所での報酬は時給0.12~0.4ドル(約17~58円)にすぎない。

出所後の監視付き釈放期間中の3年間の返済額については、「1カ月当たりの返済額は月収(額面)の少なくとも10%、もしくは少なくとも200ドルのいずれか大きいほう」と定められている。

例えば、水原氏が出所後にロサンゼルスに戻って、一時勤めていたウーバーイーツの配達員に再び採用されるとすると、ロサンゼルス地区の月収平均は約4686ドル(約67万円)なので、返済額は1カ月に約469ドル(約6万8000円)、3年で1万6884ドル(約240万円)となる。

水原氏は2024年5月に米司法省と司法取引した際、アメリカで服役後、日本に強制送還されることに同意した。禁錮刑と監視付き釈放を満了して送還されるとすれば、48歳になっているはずだ。

労働政策研究・研修機構によると、日本人男性の生涯賃金は3億円前後だ。日本国内で新規に就労した場合、50歳に手が届く水原氏が得られるのは、その半分にも満たない可能性がある。水原氏にとって、26億円を返済していくのは至難の業のように見える。

参考になる「類似の事件」

すでに一部で指摘されているように、水原氏がこれだけの額を返済するには、クリエーティブな分野で勝負するしかないのではないか。

水原氏自身、ホルコム判事への手紙で、執筆やテレビインタビューの打診がすでにあったことを明かしている。そうした依頼に応じることを大谷選手側に阻止されたとも主張しているが、検察は事実ではないと否定している。

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