【水原一平氏ついに収監】賠償金26億円返済の行方「一生かけても払いきれる額ではない」一方で巨額の返済が”免除”の可能性も

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連邦矯正施設は、警備レベルの違いによって基本的に「ミニマム(最小限)」「ロー(低)」「ミディアム(中)」「ハイ(高)」の4つに分類される。詐欺や横領などホワイトカラー犯罪の場合、警備態勢が最小限か、低レベルの施設に収監されるケースが多い。

アレンウッド・ローは低レベル警備の施設で、殺人犯や麻薬ギャングなど凶暴な犯罪人はほぼいないとみられる。

水原氏はそこで4年9カ月服役した後、3年間の「監視付き釈放」に付されるのに加え、大谷選手への窃取額と同額の弁償と、米内国歳入庁(日本の国税庁に相当)への追徴課税115万ドル(約1億7000万円)の納付も命じられている。

水原氏は塀の中でも、監視付き釈放中も、そして日本に強制送還されてからも返済を続けなければならないが、日本円にして計約26億という大金は、一般人には一生かけても払いきれる額ではない。

手記などを出版してまとまった金を稼ぎ、それを返済に充てるしかないのではないかとの見方もあるが、実は、全額の返済はそもそも想定されていない可能性がある。

その根拠を示す前に、まずは収監までの経緯を振り返ってみたい。

情状酌量は一切なし

2025年2月6日、連邦地裁は水原氏に求刑通りの量刑を言い渡した。そこに至るまでにはドラマもあった。水原氏は自身の訴訟を担当する連邦地裁のジョン・ホルコム判事に宛て、情状酌量を訴える書簡を送ったのだ。

「賭博の負債が膨らみ、翔平の金を使って帳消しにすることしか思いつかなかった」

「負債は日に日に増え、ある時点で、そこから抜け出し、彼に返済するには賭博で勝つしかないと考えるようになった」

書簡には、違法賭博を繰り返し、理性を失っていった経緯が連綿とつづられている。

これに対し、連邦検察は違法賭博にのめり込んだ誘因は「依存症ではなく、強欲」だったと断罪。量刑言い渡しの際にホルコム判事は書簡に言及し、「真実を曲げている箇所が多いうえ、重要事実を伏せており、信用できない」と切り捨てた。

結局、情状酌量は一切認められず、水原氏は万事休すとなった。

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