映画『国宝』のロケ地が凄すぎた…現役にして文化財「圧巻の芝居小屋」の"驚く内部"

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映画『るろうに剣心 京都大火編』(2014年)では、佐藤健さん演じる「剣心」と、武井咲さん演じる「薫」が歌舞伎を観るシーンで登場しました。劇場内には、大友監督のサインも飾られています。撮影中には、熊本県の人気キャラクター「くまモン」が陣中見舞いに訪れたことでも話題になりました。

やはり現役の芝居小屋として機能していて、この5月、6月にも坂東玉三郎さんの公演が開催されました。歌舞伎や演劇などの催し物のほかにも、「八千代座物語~山鹿灯籠踊り定期公演~」という、館内見学と演劇をセットにしたコースを定期的に実施していて、観客を楽しませてくれています。

八千代座
きらびやかで美しい内部です(写真:Daikegoro/PIXTA)

「生きている文化財」は全国に点在

この「八千代座」は、全国の芝居小屋が所属する「全国芝居小屋会議」の代表を務めています。北は秋田県小坂町の「康楽館」から、南は「八千代座」まで、全国16カ所の芝居小屋がそれぞれ活動しており、多くは地元の大衆演劇や歌舞伎などが上演されています。

そしてその中には、ロケ地として活用されている劇場もあります。

康楽座
洋館風な外観の「康楽座」(写真:もとじ/PIXTA)
康楽座
内部は和風の芝居小屋で和洋折衷の造りが特徴です(写真:Morisot/PIXTA)

香川県琴平町の「金丸座」は、同じく国の重要文化財として登録されており、現存する国内最古の芝居小屋といわれる1835年(天保6年)の開設。

春には恒例の「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が開催され、全国からファンを集めることでも有名です。筆者も、かつてツアーの随行で訪れたことがありますが、当時そのままの形で大切に使われている花道、桟敷席(さじきせき)、そして舞台下にある人力回転装置などを実際に目の当たりにし圧倒されました。

映画『男はつらいよ寅次郎の縁談』(1993年)、『最後の忠臣蔵』(2010年)などでロケ地となり、ファンも訪れています。

金丸座
現存する日本最古の芝居小屋「金丸座」(写真:papa88/PIXTA)
金丸座
客席の頭上には、役者の家紋を入れた「顔見せ提灯」があります(写真:tecplanning/PIXTA)
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