映画『国宝』のロケ地が凄すぎた…現役にして文化財「圧巻の芝居小屋」の"驚く内部"

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『国宝』の作中に登場する大阪の芝居小屋「浪花座」は、残念ながら現存していませんが、大阪・道頓堀にあった芝居小屋「道頓堀五座」(浪花座、中座、角座、朝日座、弁天座)の1つとして、当時一大エンターテインメント都市であった大阪の街をきらびやかに彩っていました。

NHKの連続テレビ小説『おちょやん』(2020年)でモデルとなった浪花千栄子さんや、曾我廼家兄弟一座が活躍した劇場です。

現在、道頓堀の劇場街は、その中心部にある「大阪松竹座」が現役で稼働しており、重厚な建築模様から当時の華やかな空気を感じとることができます。

大阪松竹座
大阪・道頓堀に位置する「大阪松竹座」(写真:でじたるらぶ/PIXTA)

30代男性の「外国人観客」が増えている

近年のグローバル化とともに、歌舞伎の観客や演目も多様化しています。

松竹株式会社によると、東京・歌舞伎座における外国人観客の割合は平均で約5%、多い月では10%、日によっては20%を超える日もあるとのこと(2024年データ)。

国籍はアメリカやイギリスを中心に欧米豪が最も多く、30代の男性がボリュームゾーンとのことで、これまで日本人の観客層は中高年の女性がメインだったことを考えると、大きく変わり始めています。

また、演目としては「連獅子」のような踊りを中心とした、視覚的に派手さがある作品が人気で、今後は演目や演出にもわかりやすさが求められていくでしょう。

歌舞伎座
東京・東銀座の「歌舞伎座」には英語表記の演目案内が(筆者撮影)

日本が誇る伝統の総合芸術である歌舞伎。映画『国宝』によってその魅力が広く認知され、試行錯誤する地域の芝居小屋にも光が当たり盛り上がっていくことを期待しています。

歌舞伎座
「歌舞伎座」のお土産処も外国人観光客で賑わっています(筆者撮影)
古関 和典 ロケ地研究家、コンテンツツーリズム研究家

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こせき かずのり / Kazunori Koseki

1973年神戸市生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業後、旅行会社に入社。映画『のだめカンタービレ』のヨーロッパロケを担当して以降、社内でチームを立ち上げ、数多くの映画、テレビドラマ、アニメ等のコンテンツ制作の業務に携わる。2016年、TIFFCOMにおいて、『日経エンタテインメント!』と共催で「全国ロケ地セミナー」を開催し、その活動が同誌でも紹介される。2023年、法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了。

現在は業務の傍らでロケ地研究家として「ロケ地ラボ」を主宰し、各大学や地域での講演も行っている(2015年以降、内閣官房より「地域活性化伝道師」の委嘱を受け活動)。2021年、フジテレビ『超逆境クイズ!!99人の壁』に「ジャンル=ロケ地」でチャレンジャー出場、グランドスラム達成。コンテンツツーリズム学会理事。

ブログ:https://ameblo.jp/chiiki-media/

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