【獣医師死亡】マダニで広がる感染症SFTSの怖さ――致死率は10〜30%、感染した飼いネコからうつることも《医師が教える予防法と対策》
マダニは、ゴマ粒程度で毛の長さや色によっては見えにくいです。軽く触って、しこりなどがあるかどうかを確かめます。万が一、おかしいと思ったら自分で取らず、かかりつけの獣医師に相談してください。
■野生動物は触らない
野良ネコや野生動物は感染しているかどうかわかりませんので、素手で直接触れないようにしましょう。特に弱っている動物はウイルスに感染している可能性が高いため、むやみに撫でたり抱いたりしないでください。
最近、SNSなどで弱っている野生動物を介抱したり、自宅で看病して回復させたりするような動画がたくさん配信されています。しかし、このような行為は危険で、よほどの注意が必要です。特にお子さんが触れるようなことはできるだけ避けるようにしましょう。
■ネコが感染したら?
ネコのSFTSの症状は、発熱や嘔吐、極端な元気のなさなどで、特徴的なものではありません。ただし、重症化すると黄疸(皮膚が黄色くなる)、出血傾向(血便、口や鼻からの出血)が出てきます。もし飼っているネコがこのような症状を見せた場合は、速やかに動物病院に連絡し、症状を伝えたうえで受診してください。
そして、こうした症状の末に亡くなった際にはSFTS感染の可能性を考え、体液などに直接触れないよう、手袋やマスクを着用して慎重に対応しましょう。
感染したネコの約60~70%が死亡するとの報告もあります。大切なペットの死はとても悲しいですが、飼い主まで具合が悪くなってしまっては、ペットも浮かばれません。感染リスクを避けるためにも、適切な防護が必要です。
イヌにも注意が必要
ネコは2017~2024年の間に数十例の自然感染例が確認されています。感染したネコの多くが外飼いのネコで屋外に出る習慣があり、マダニの寄生歴があるそうです。
イヌは、日本国内の調査では抗体陽性率は2〜5%程度。感染しても無症状のことが多いですが、まれに発熱や食欲不振などの症状が表れることもあります。
SFTSに感染しているイヌからネコに感染したケースが報告されています。もし一緒に飼っている場合は、ネコを守るためにもイヌにもダニ予防をしましょう。
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