長時間働く人はえらい?「労働生産性」が低い日本で"努力の美化"が組織をダメにする理由と脱却への3ステップ

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・ITツールやAIにより、効率化の手段は進化している。なので、効率化のためには、新しい技術やツールを試せる「自由度が高い職場」であることが望ましい
・前例や慣習にとらわれず、「目的に沿った最適なやり方はないのか?」を考え、時には思い切ってやり方を変える勇気を持つことが重要
・業務の評価に関しては、「成果を出すこと」だけでなく、「業務効率化(業務量を減らすこと)」も加点することで、「成果と効率化の両立」を狙う

目的に沿った軌道修正ができる組織に

筆者も日々何十件ものタスクを処理しているが、業務に着手する際には必ず「何のためにやるのか」を確認し、それに従って優先順位をつけて取り掛かることを習慣化している。

限られた時間で無駄なく、成果を最大化するためには、「やらなくていいこと」を除外し、優先度や難易度に合わせて限られたリソース(時間)を配分することが求められる。無駄な業務に時間も労力もかけたくないという至極当然なことだ。

なので、作業の途中でもタスクの処理をやめたり、やり方を変更したりということは日常茶飯事。自分だけのタスクではなく、他メンバーを巻き込んだタスクであれば、余計に早めの軌道修正が必要になる。その際にはいったん中断したり変更した理由を説明し、「準備してもらったのに申し訳ない」と謝る。

途中でそもそもの目的が消失していたり、目的が変わってしまったタスクを「やってもらっていることが途中で無意味になったとは言いにくい」などと放置してしまっては、作業を依頼した相手に失礼だし、その人の時間を無駄に奪ってしまう。

日本社会の「努力の方向性よりも努力量を称賛する文化」「手段が目的化しやすい文化」は、今の人手不足が顕著な状況では死活問題になりかねない。

上述した3ステップの視点を日常業務に取り入れてもらい、目的に沿って適宜軌道修正しながらやり方を見直せる組織になれば、人手不足でも最大限の成果を出すことはできるだろう。日本人が得意な「努力」が、目的に沿って、成果につながることを願っている。

川畑 翔太郎 UZUZ COLLEGE(ウズウズカレッジ) 代表取締役

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かわばた しょうたろう / Shotaro Kawabata

1986年生まれ、鹿児島出身。高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。大学卒業後、住宅設備メーカーINAX(現・LIXIL)に入社。1年目からキッチン・洗面化粧台の商品開発に携わるも、3年目に製造へ異動し、毎日ロボットと作業スピードを競い合う日々を送る。高校の同級生の誘いと自身のキャリアチェンジのため、「UZUZ」立ち上げに参画。第二新卒・既卒・フリーターといった20代若者への就業支援実績は累計2,000名を超える。2024年よりIT/DX分野の教育研修事業「ウズウズカレッジ」を分社化し代表取締役に就任。就活メディアはこちら、X(旧Twitter)はこちら、YouTubeはこちら

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