新鋭の動画配信サービス“Kick”で「迷惑系配信者」が目立つ理由 5時間配信で《収益250万円》も?「迷惑かけても目立てばいい」の弊害とは

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近ごろでは所属メンバーによる過激な行動が目立っており、“とにかく数字さえ集められればいい”という考えがベースにあるように思える。実際、エアガン所持で職質された前述の男は、団体主催者から「代表作ができたな」「副キャプテン候補」と褒められてさえいる。

6月にも、同団体所属の51歳の男が、体操着にブルマー、頭に女性用下着をかぶった格好で千葉県内で生配信をして、迷惑防止条例違反で逮捕された。

約5時間配信しただけで250万円得る例も

Kickは、2022年にオーストラリアのKick Streaming Pty Ltdが開始したサービスだ。この新しいサービスが注目を集めている理由は、その収益率の高さだ。

YouTubeライブの「スーパーチャット」機能をはじめ、“投げ銭”などの収益を得られる配信サービスは多いが、多くのサービスではプラットフォーマーに数十%の手数料を取られる。例えばスーパーチャットでは、収入の約30%をYouTubeへの手数料として引かれ、配信者の手元に残るのは60%ほどとなる。

一方、Kickの手数料はわずか5%で、95%という破格の収益率を誇る。加えて、配信ごとに収益を保障する成果報酬型プログラムも用意されている。3月には有名配信者のコレコレ氏がXで「約5時間配信しただけで250万円もらえた」と明かしている。

Kickが先行するさまざまな動画配信サービスに対抗するためには、配信者の引き抜きが必要で、そのために収益性を高く設定したのだろう。実際、人気VTuberのみけねこ氏が1月にKick公式パートナーに就任するなど、Kickに移る配信者もいる。

収益性に優れる「Kick」
有名配信者のコレコレ氏がXで「約5時間配信しただけで250万円もらえた」と明かすなど、収益性に優れる(写真:Google Playよりキャプチャ)

外国人配信者では、さらに迷惑な配信を行う例も多い。

アメリカ国籍のジョニー・ソマリは、2023年5月に大江戸線車両内で日本人乗客に対して「原爆を落としてやるぞ」などと英語で罵倒する動画を撮影し、炎上状態になった。

6月には地下鉄で「私は安倍晋三」などと英語で叫ぶ動画を配信して再び炎上している。9月には、大阪の工事現場に侵入して「福島」と叫ぶなどの行為をして、建造物侵入の疑いで逮捕。大阪のすき家では大音量で音楽を流すなどして業務を妨害したとして、威力業務妨害罪で再逮捕されている。

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