「なぜ、競争の厳しい家電市場に参入?」家具のニトリがドラム式洗濯乾燥機を販売する深い事情

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

伸び悩む家電市場、そして、これから人口減少の加速でさらに減少していく地方マーケットを縄張りとしているヤマダにとって、事業構造の転換は容易ではない。そんな厳しい家電市場になぜニトリは乗り込んでいこうとしているのだろうか。

圧倒的な地位を築くニトリ

ニトリの現状について少し見てみよう。ニトリは家具・インテリア雑貨の製造小売業として、2000年代以降急成長を続けて全国展開し、業界の圧倒的なトップシェアを確立していることはご存じの通りだろう。

(画像:ニトリIR資料より)

国内家具業界でニトリに次ぐ存在といえば、イケア・ジャパンだろうが、売上952億円(2024年8月期)で収益は赤字である。他には良品計画(MUJI、2024年8月期)が家具を含む部門で1800億円ちょっと、東京インテリア家具で568億円(2025年5月期)といったところであり、ニトリの8210億円(除くホームセンター島忠)に比肩しうる存在は国内にはいない。

1社寡占のニトリは、家電量販店同様、シェアアップによる成長余地は乏しく、家具以外の事業拡大と海外進出で成長を実現していくしかない。

ただ、ニトリは家具も売るが、それ以上に売っているのがインテリア雑貨類であり、そこにはまだまだ拡大の余地がある。そもそも、ニトリが他の家具チェーンを圧倒した勝因が、インテリア雑貨の拡充による来店頻度向上にあることは一般的には知られていない。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事