1800店舗のおしぼり回収データと認知症患者向け家族の声AI電話、ひろしまAIサンドボックスの異色プロジェクト

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ひろしまAIサンドボックス
「ひろしまAIサンドボックス」の採択企業発表会で20社の取り組みが発表された(筆者撮影)
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2025年6月9日、東京・丸の内。広島県が推進する「ひろしまAIサンドボックス」の採択企業発表会で、全国266件から選ばれた20プロジェクトが明らかになった。8カ月の実証期間で、地域課題とAI技術を結び付けた実用化を目指す。

オタフクホールディングスと組む在庫最適化、広島電鉄との公共交通DX、緑内障検査を20分から2秒に短縮する医療系スタートアップ——多様なプロジェクトが並ぶ中、ひときわ異彩を放つ2つの取り組みがある。おしぼりの使用データから飲食店の需要を予測するプロジェクトと、認知症患者に家族の声で応答するAI電話サービスだ。

おしぼりデータが飲食店を救う 1800店舗のビッグデータ活用術

株式会社クリエイターズネクスト(Creator’s NEXT)が広島県リースタオルと進めるプロジェクトは、おしぼりの使用枚数に着目した。広島県内1800店舗に配送される、おしぼりの回収データを活用する。

「広島県リースタオル社では回収時に1枚ずつ数えているんですが、今まではこのデータを活用できていませんでした」とクリエイターズネクストの滝田潤CTOは説明する。おしぼりの使用枚数は来客数とほぼ比例する。この相関関係に気象データ(降水量、気温)を掛け合わせることで、天候による来客パターンの予測が可能になる。雨の日は来客が減り、猛暑日は特定の時間帯に集中するといった傾向を数値化できるのだ。

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