「ウサギとカメ」「アリとキリギリス」…情報は“物語”の形で伝えると圧倒的に効果的になる。「国」や「企業」の結束を強める役割も

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プレゼン
聞き手に強い印象を与えて記憶に残る“伝え方”を解説します(写真:jessie/PIXTA)
会議、プレゼン、日常会話……。話が相手に伝わらないければコミュニケーションは成り立たない。コミュニケーションが成立しないと、ビジネスでは誤解や損失を生み、プライベートでは人間関係のすれ違いにつながる。
テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」のメインキャスターである豊島晋作氏は、「聞き手に強い印象を与えるには“物語”の力を使うといい」と話す。
本稿ではその方法を『不器用だった僕がたどり着いた「伝え方」の本質』から抜粋・再構成しお届けする。

情報は、なるべく「物語」の形で伝える

スピーチや講演、プレゼンなどで、聞き手に強い印象を与えて記憶に残るようにするためには、どうすればいいのでしょうか。

それは「情報」ではなく「物語」を伝えることです。人が聞きたいのは、無味乾燥な「情報」ではなく、面白みのある「物語」だからです。「社長と専務が大げんかしたらしい」「近所に住む空手有段者の女性が、自宅に侵入した空き巣を捕まえたらしい」など、人を介してすぐに広がる噂話も、何らかの「物語」であることがほとんどです。

人は、情報よりも物語に引きつけられる性質があり、私たちは物語をベースにして、身の回りで起きる多くのことを理解しているからです。このため、無秩序に単語や情報だけを並べるのではなく、物語によって情報を伝えると、聞き手は内容を理解し、記憶しやすくなるのです。

「A君とBさん、そしてC君がいます」というフラットな「情報」をただ伝えられても、時間がたてば「誰が誰だっけ?」と覚えていないでしょう。

そうではなく「A君とBさんが結婚する直前、Bさんが会社の後輩のC君を好きになり、結婚は破談になった」と伝えられたらどうでしょう。このほうが、それぞれの立場や関係性が分かり、「C君の略奪愛」などといったセンセーショナルな物語として多くの人に伝わるでしょう。その後Bさんと後輩のC君はどうなったのか、様々な憶測も呼ぶかもしれません。人の記憶にも定着しますよね。

他にも、例えば言葉を話すようになった子どもに、「桃」「イヌ」「サル」「キジ」「鬼」といった単語を、そのまま暗記させようとしても決してうまくいかないでしょう。

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