「ワクチンが原因では…」予防接種後の運動中に突然死した愛犬。男性が深く後悔した"死の真相"とは――飼い主の無知と不注意がもたらした悲劇

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ですから、短頭種を飼っておられる方は、気温が高い日の散歩や運動にはよくよく注意してほしいのです。ちょっと興奮して走り回っただけでも、短頭種のイヌたちは体温が急激に上昇して、体調を崩してしまうことがあります。

このパグも、小まめに水を飲ませたり、日陰で休ませたりしていれば、そもそもワクチンを打ったあとに公園で走り回ったりさせず、安静にさせていれば、命を落とさずにすんだでしょう。

病理診断の結果を説明しながら、僕はそのことを、酷だとは思いながらも飼い主さんにお伝えしました。

飼い主さんは肩を落とし、深く後悔しておられるようでした。朝には元気だった愛犬が、自身の無知とちょっとした不注意で命を落としてしまったのですから、無理からぬことです。

失われた命は戻りません。この飼い主さんが再び動物と暮らすことがあるなら、せめてこの悲しい経験を教訓として生かしてほしい――そう僕は願わずにはいられませんでした。

ペットの熱中症を防ぐには

熱中症が疑われるとき、人間であれば、まず涼しい場所に避難させ、服をゆるめて首のまわり、脇の下、足の付け根などを水道水や氷嚢で冷却します。脱水症状を起こしている場合には、水分も補給させます。

高温によって体調を急激に崩したペットへの対処も、基本的には同じです。

ぐったりしている、よだれが増えている、呼吸が荒い、意識がもうろうとしているなどの様子が見られたら、まずは涼しい場所に避難させ、常温の水道水などをかけて体を冷やしてあげてください。

それでも症状が改善しないようなら、人間でいえば救急車を呼ぶような場面です。できるだけ早く、動物病院に連れていきましょう。

何より大切なのは、そもそも熱中症や脱水症状を起こさないようにすることです。

室内飼いのイヌの場合は、空調の利いた室温20~25℃、湿度40~60%の環境を整えましょう(エアコンの不意の故障には注意してください)。窓から直射日光がケージに当たらないように、ケージの設置場所を工夫するとともに、飲み水を切らさないようにすることも重要です。

外飼いの場合は、日よけがあり、風通しのいい場所に小屋を設置して、直射日光や高温にさらされないようにしてあげましょう。

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