70歳以上は死亡率2倍の指摘も!就寝後トイレに2回起きる人は要注意「夜間頻尿」の怖さと対策
夜間頻尿の要因は、夜中の尿量が多い夜間多尿、膀胱の畜尿量の減少の2つに大別されます。9割近い人は夜間多尿のためトイレに起きる回数が増えており、就寝から起床するまでの夜間尿量が1日の総尿量の3分の1(330~495ml)を超える場合は、夜間多尿と判断できます。睡眠中の排尿を減らすホルモン分泌の加齢による衰え、水分やアルコールの摂り過ぎ、むくみなどが原因です。
加えて、高血圧や心不全、糖尿病、腎機能の低下も尿を夜型にし、夜間頻尿を引き起こします。よって、いまは自覚していなくても、これらの症状がある人は夜間頻尿の予備軍かもしれません。
また、夜間頻尿の人の死亡率が高く、健康な方に比べて寿命が短いのは、これらの疾患が関連するからです。ただし、遺伝的要因で高血圧や糖尿病になりやすい人もいるので、実際のところは生活習慣と遺伝的要因の掛け算で夜間頻尿につながるというイメージです。
過活動膀胱も夜間頻尿の原因
一方、割合は少ないものの、膀胱内に十分に尿をためられなくなる過活動膀胱も夜間頻尿の原因です。
過活動膀胱には、加齢に伴う膀胱の柔軟性の低下により尿をためられなくなる、膀胱と尿道の連携が誤作動を起こして尿が十分にたまっていないのに膀胱が収縮して排尿の動きを始める、膀胱や尿道を支える筋力の低下が背景にあります。前立腺肥大症も膀胱の柔軟性を失わせるので、EDと夜間頻尿に密接な関係があるのは、そのためです。
夜間頻尿をはじめとする尿トラブルの原因を探るには、自身の排尿状態を把握すること。おすすめなのが「排尿日誌」の記録です。
毎日の起床時刻と就寝時刻を明記したうえで、その間に排尿した時刻や排尿量、尿漏れの状況や程度、水分摂取量などを記録します。これにより、1日の総尿量や夜間の尿量、夜中にトイレに起きた回数、排尿の多い時間帯などがわかり、頻尿や夜間頻尿の診断に役立つほか、膀胱が尿をどのくらいためておけるか知る手掛かりになります。
そのうえで、夜間頻尿の傾向が確かめられたら、生活改善やトレーニングなどに取り組むと効果的でしょう。
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