32万組の結婚が失われた結果…「出生数過去最少70万人割れ」を騒ぐ人に欠けている視点

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それは年齢別の初婚率という形でも目に見えて明らかです。

以下は、女性の年齢別初婚率推移について2004年を基準として示したものです(単位は人口千対)。20代の初婚率は2004年から一貫して下がり続けていますが、2020年以降の急降下はすさまじいものがあります。20-24歳の初婚率は前半15年間で10ポイント減ですが、後半5年間でも同様10ポイント減。25-29歳に至っては、前半の15年間でわずか3ポイント減だったものが、後半の5年間だけで17ポイント減です。

「晩婚化」は起こっているのか

そのかわり、30歳以上の初婚率が上昇しているように見えます。よく晩婚化などといわれますが決して実態はそうではありません。晩婚化というからには、20代で初婚しなかった場合でも、30代で後ろ倒しで初婚に至っていないとなりません。確かに、2015年あたりまでは20代でのマイナス分を30代でカバーするという晩婚化傾向はありました。が2020年以降は、20代と同様、30歳以上もマイナス基調に転じています。つまり、20代で初婚しなかった層が30代になって初婚したわけではなく、20代で初婚しなかった層はそのまま30代以降も未婚のままということです。

2024年婚姻数がプラスといっても、25-39歳あたりで初婚率的には踏みとどまったレベルに過ぎず、「結婚が増えた」とうかれてはいられません。

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