「1万円のラーメンがあってもいい」 《1000円の壁》を突破したラーメン。15周年・国内トップの「飯田商店」店主が語る、価格への”本音”

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普段「飯田商店」に来られないお客さんが「現代のラーメンはさすがだ」と思うことで、またお店のイメージも業界自体も変わっていく。そういう声が集まれば、お店としては「さらに頑張らなきゃ」となり相乗効果が生まれる。

飯田さんも商品監修を通して、チェーン店のオペレーションや味を数値で管理する方法、冷凍の考え方などさまざまなことを学んだ。

飯田商店15周年パーティで振る舞われた特別なラーメン

飯田さんの著書『本物とは何か』の刊行を記念して行われた「飯田商店15周年 飯田将太 出版記念パーティー」では、パーティーに参加している生産者の食材だけを使った特別なラーメンが振る舞われた。

通常の「飯田商店」のラーメンでも大満足だったはずだが、この日のために作られたスペシャルな一杯に一同感動した。

「パーティーでラーメンを作らせてもらうことが決まり、3週間前、2週間前と日にちが近づいてくる中で、『来ていただく生産者さんの食材だけで、ラーメンが作れないかな?』といきなり閃いたんです。これをサプライズにしようと決めたらそれはそれは楽しかったですね。

できたラーメンをまず生産者さんからお出しして、食べ始めたときに『そのラーメンは皆さんの食材だけでできた一杯です』と発表したら本当にビックリしてくださって。こういうことは彼らにとっても初めてだと思うんですよ。

今この場にいて同じテーブルを囲んでいる人たちだけの食材で一杯のラーメンを作って、それを生産者みんなで食べる。そして、今度はその他のゲストに自分たちの食材のラーメンが運ばれて、それを食べているのを目の前で見るという、生産者さんたちからしたらすごいデザートですよね」(飯田さん)

なぜ飯田さんはここまで生産者を愛するのか。今は日本全国どこにいても全国の食材が手に入る。その中で生産者のもとに自ら足を運び、自分の目で見て、しっかりコミュニケーションを取る。

「『支那そばや』の佐野実さんが食材を大事にされているというのを本で読んだり先輩たちに聞いたりとかして、自分も生産者のところに訪れるようになりました。実際に会いに行くことで人との関係が生まれるわけです。そうなると、人と人の関係がちゃんと温かくないとおいしいラーメンは作れないなと思うようになります。

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