まさかの《ロボットになる展開》も!? マンガが描いてきた「長嶋茂雄」の"超人伝説"

日本プロ野球界のレジェンド中のレジェンド、長嶋茂雄が亡くなった。「わが巨人軍は永久に不滅です」のセリフを残して現役引退した1974年に筆者は10歳だったので、全盛期の活躍をリアルタイムで見てはいない。が、国民的ヒーローであることは知っていた。その情報源となったのが野球マンガである。
長嶋茂雄とマンガの縁は深い。1959年3月に初の週刊マンガ誌として『少年マガジン』と『少年サンデー』が同時創刊される。その『サンデー』創刊号の表紙が長嶋だった(『マガジン』は3代目・朝潮)。この年、プロ入り2年目ながら、前年に本塁打王、打点王、新人王を獲得した長嶋は、すでに大スターだったのだ。
あの名作のスタートは長嶋の入団会見だった
野球マンガの草分けである『ちかいの魔球』(作:福本和也・画:ちばてつや/1961~1962年)にも長嶋(作中の表記は「長島」だが、引用部分以外は「長嶋」と表記する。以下同)は登場する。肖像権の問題で実在の選手を出せない今と違って、昔は野放しだったので、多くの野球マンガで長嶋は当然のようにキャラ化されていた。
昭和を象徴する野球マンガ『巨人の星』(作:梶原一騎・画:川崎のぼる/1966~1971年)もその1つ。六大学野球のスター(当時はプロ野球より六大学野球のほうが人気だった)として注目の的だった長嶋が、巨人に入団するところから同作は始まる。
華やかな入団会見の席上、「史上最大の三塁手」の期待がかかる長嶋に向かって奇妙な軌道を描くボールが投げつけられる。それは、巨人軍監督・川上哲治が「幻の名三塁手」と呼ぶ星一徹の「魔送球」を、息子・飛雄馬が再現したものだった。その球質を瞬時に見極めた長嶋は慌てず騒がず華麗にスルー。記者たちは「さすがに黄金ルーキーだ」と感心する。

作:梶原一騎・画:川崎のぼる『巨人の星』(講談社)講談社漫画文庫1巻p14~15より
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