「ルフィ事件は氷山の一角」「わずか5万円が地獄の入り口に…」 元刑事が激白《汗をかかずに金を得ようとした若者たち》の悲惨な”末路”

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もっとも重要なのは「騒がない」ことや。「ルフィ事件」では、被害者が騒いだために殺害されるという最悪の結果となった。ホンマにいたたまれへんわ。場合によっては、ガムテープで口を塞がれ、窒息死する危険もある。強盗に入られたら、「お金はそこにある。持っていっていい。だから命だけは助けてくれ」と、必死に命乞いをすべきなんや。犯人の目的は、あくまで金やからな。

冷静に命を守る行動を取る

実際、土下座して命乞いし、助かったケースもある。ワシも強盗犯を捕まえたことがあるが、犯人は「騒がれたら殺すつもりやった」と供述していた。冷静に命を守る行動を取ることが最優先なんや。

もちろん、防犯対策も欠かせない。

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たとえば、台所に勝手口を設け、隣人に助けを求められるようにする。二重扉や防犯ガラスを設置して、侵入までの時間を稼ぐのも有効や。

110番通報にもポイントがある。可能であれば固定電話から掛けるべきや。固定電話なら、通信指令課が発信元住所を即座に把握できるから、最寄りの警察官を無線指令で迅速に派遣できる。

一方、携帯電話では位置情報がぶれるため、通話の冒頭で「○丁目○番地の○○です」と正確に伝える必要がある。

固定電話で通報した場合は、通話を切らずにつないだまま逃げる。通話が続いていれば、警察がリアルタイムで状況を把握できるからや。携帯電話の場合は、寝ているときも寝室の近くに常に置いておくといいな。

さらに、日常的な防犯対策もきっちりしたい。たとえば、固定電話を常に留守番電話設定にしておくこと。犯人側は声を録音されるのを極端に嫌うから、留守電が作動すると即座に通話を切る。また、非通知や知らない番号からの着信には出ないのが基本や。

というのも、彼らにとっては「100人に断られても、1人でも成功すれば十分」というビジネスモデルやからや。無数にアタックしてくる以上、1つひとつに反応していてはきりがない。だからこそ、最初から接触を遮断する仕組みを整えておくことが重要になるわけや。

名簿が存在することを前提に、防犯意識を高めておくこと。それが、命を守る第一歩や。

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秋山 博康 元刑事、犯罪コメンテーター

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あきやま ひろやす / Yasuhiro Akiyama

通称「リーゼント刑事」。元・徳島県警捜査第一課警部。1979年徳島県警拝命。1984年、23歳で刑事になると、殺人など凶悪犯罪の最前線の捜査第一課と所轄刑事課を中心に31年間刑事として捜査を担当。「おい、小池!」で有名な殺人指名手配事件に長らく携わった。警察人生42年、2021年3月に定年退職し、現在は犯罪コメンテーターとしてメディア出演やYouTube配信、講演会活動を精力的に行っている。
Official Web Site:https://www.ri-zento-deka.com/

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