そもそも「ミレニアル世代」とは、1981年から1996年生まれを指す。2000年の「ミレニアム」(新世紀)を挟んで成人したことから、この呼び名が定着した。大人になる過程で2001年の「9・11テロ事件」や2008年の「リーマンショック」を経験し、「パックス・アメリカーナ」とはほとんど縁がない。
むしろ「親の時代よりも豊かになれない」ことに悩み、学生ローンはキツイし、住宅は値上がりしてしまって買えないし、薬物フェンタニルによる中毒で多くの仲間を失ってきた。彼らの世代が構想する政策が「明るい」ものにならないのは、なるほど無理からぬことかもしれない。日本風に言えば「氷河期世代」という言葉がピッタリだろう。
これからは「次世代のアメリカ」に注意を払う必要
キャス氏は日本でのインタビューにおいて、「トランプ大統領は過渡期的な人物」と評している。次の2028年選挙では、新たな共和党連合が生まれるであろうとも。つまり彼の眼中にあるのは、すでに「トランプ後」のアメリカ政治なのである。
すでにミレニアル世代は、数の面で「ベビーブーマー」(1946~1964年生まれ。日本風に言えば団塊世代)を上回っている。その間の「X世代」(1965~1980年生まれ。日本風に言えば「新人類世代」)が目立たないので、「次は自分たちの出番」と考えていそうである。
こうしてみると「後生畏るべし」である。われわれもトランプ氏の一挙手一投足ばかりではなく、「次世代のアメリカ」に対して注意を払っていく必要がありそうだ。それに真面目な話、トランプさんの言動をいくら追いかけても、疲れるばっかりなんだもん(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。
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