「味が値段に見合ってない」「さすがに高い」との声もあるが…。ココイチ「驚愕の3280円カレー」が示す“残酷な現実”

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それ以前にも、2022年の6月と12月にもグランドメニューの改定が、2023年12月にはウーバーイーツなどの配達代行価格の改定、2024年3月にはテイクアウト価格の改定が行われた。

イートイン、テイクアウト、デリバリーを合わせると、3年で5回の値上げが行われているわけだ。

壱番屋 決算説明会資料
前年割れが続く客数だが、2022年3月を100とするグラフだと、依然としてプラスの月も多い(出所:壱番屋の決算説明会資料より)

こうした値上げの背景には、相次ぐ原材料費の値上げや人件費の高騰などの要因がある。一方で、そのように値上げをしても「選ばれるカレー店」になろうとする同社の思惑もある(と筆者は感じている)。

だからこその「高付加価値メニュー」だし、「高くてもココイチだから行こう」という状態を作り出そうとしているのだ。ここで紹介した「ホロ肉ドカンとガーリック&ペッパーカレー」もまさにそんなメニューの一環だろう。

一方でココイチから離れる人も?

一方で、こうした「値上げ」の波から離脱する人が出てきていることもまた事実だ。

同社が毎月発表している月次データによれば、客数は昨年9月から8カ月連続で前年割れを起こしている。

同社は、この客足の減少に伴う利益減の理由について「配達代行やテイクアウトの注文数が減少」したことを挙げているが、グランドメニュー改定を行った8月以降から前年割れが始まっていることを見ると、この改定が及ぼしている影響が大きいことは容易に想像がつく。

壱番屋 決算説明会資料
水色の線が客数のライン。赤い点線を下回ると前年を下回っている(出所:壱番屋の決算説明会資料より)

もっとも、ココイチはそのように客足が減ってはいても2025年2月期決算では営業利益が前年より2.1億円もアップしており、経営には何ら問題がない。

それでも、同決算の数値は計画よりも下振れしており、「完全に好調」とまではいえなくなってきたことも確かである。

壱番屋 決算説明会資料
客足の減少が続くが、業績はまだまだ好調だ(出所:壱番屋の決算説明会資料より)
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