なぜドイツ人は日本人の「3倍」休んでも成果を出せるのか?時短術でも効率的な働き方でもない!自由時間を持つための”目から鱗の方法”

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そもそも、日本人とドイツ人では「効率」に対する考え方が違います。

日本人にとっての「効率」とは、自分に降ってきたタスクを、いかに早く全部終わらせるかということを指します。すべて終わらせなければ成果は出せないと思っているのでしょう。まさに「どれも大事、全部やる」という状況です。

逆に、ドイツ人にとっての「効率」とは、いかに「やらなきゃいけないこと」を減らして、少ないタスクで成果を出せるかということを指します。すべてをやる必要はなく、成果につながるものだけをピックアップして、そこに集中する意識が高いのです。

「やらなきゃいけないこと」自体をまずは選択するのですから、時短術などなくても、短い時間で仕事が終わります。これが、結果的に自分の時間をたくさんつくることにつながります。

あえて「余白」を常につくっておく

日本人が「どれも大事、全部やる」という思考になってしまう原因の1つに、「余白」を怖がる性質があると思います。

日本人の場合、予定が詰まっていることに安心する人が少なくありません。朝から晩まで予定や「やること」で詰まったスケジュールを見て、「今日も頑張った」と感じているのでしょう。端的に言うと、余白の時間があると落ち着かない。余白ができるだけないように、スケジュールを埋めようとしてしまいます。

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しかし、ドイツ人は違います。どうにかして余白の時間をキープしようとします。

スケジュールに白い箇所がたくさんあっても、まったく心配しません。そして、時間に余白ができた時には、普段できないところまで手を伸ばして仕事をします。

たとえば、これはうちの留学生から聞いた話ですが、ホテルの客室クリーニングの業務の際に、時間がない時にはできないような部屋の縁の上の埃取りを、余白の時間ができた時に行っているそうです。普段できないことを行うことで、余白の時間を有効活用しています。

また、ドイツ人は朝から活動する人がとても多く、朝の時間を有効に使います。フレックスタイム制で勤務時間が選べる環境なら、早朝からの勤務を選択する人が多く、7~8時には業務を開始します。そして、午後にくつろげる時間を確保して、好きなことに使うのです。

仕事は仕事、自由な時間は自由な時間、としっかり線引きをしていることもあり、終業後の予定をあらかじめ入れてしまう人も多いです。そのため、仕事が終わるとすぐに退社します。もともと残業するという前提で働いていません。

だからこそ、時間内に仕事を終わらせるために、なるべく余白を確保しておくのです。

日本人は、「残業するからいいや」と、ついつい残業を見越して仕事をしてしまいがちです。パッと見でも勤務時間内に終わらない量の作業があるにもかかわらず、日中は打ち合わせなどの予定を詰め込んで、1人でできる作業は残業して終わらせようとします。

これでは、遅くまで残業することになってしまい、朝の時間を有効活用することも難しくなります。「余白」を埋めようとしてしまうために、「やるべきこと」が増えていくのです。

あえて余白を常につくっておくことで、残業を前提とした仕事の進め方にならなくて済むようになります。

毎日残業を見越して仕事をしているあなたが週に1~2日からでも残業のない日をつくれるようになったら、その日の終業後の時間が自分の自由時間になるのです。

松居 温子 ダヴィンチインターナショナル 代表取締役

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まつい あつこ / Atsuko Matsui

ドイツ歴40年。父親の転勤に伴い8歳から13歳(小3から中2)までの6年間をドイツの現地校GrundschuleとGymnasiumに通い生活。ドイツ語の習得はもちろんドイツの文化・生活にどっぷりとつかって少年期を過ごした経験を持つ。慶応義塾大学法学部法律学科を卒業後、日本銀行での社会人経験を経て、ドイツのマイスター制度にそのソリューションを見出し、高野哲雄と共同で株式会社ダヴィンチインターナショナルを設立、現在に至る。ドイツに関する情報を日々発信しており、インスタグラム12万人、YouTube2万人など、SNS総フォロワーは30万人にのぼる。

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