【48歳タイミーさん】厨房から見たインバウンドの真実「あれ?みそ汁って口に合わない?」外国人客に絶大な人気を誇る飲食店の洗い場で知った“衝撃の光景"

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渋滞する京都の道を進み、清水寺に向かうタクシー。どんどん上がる料金メーターと私の血圧。おそらく本日のタイミーで得られる報酬の大半はこのタクシー代に消えるだろう。本末転倒もいいところだ。

清水寺
清水寺周辺の地図(著者撮影)

歩行者と車とで大混雑する参道入り口でタクシーを降り、外国人たちをすりぬけるように参道を駆け上がり、店舗に着いたのは業務開始3分前。息を切らしながら、いつもの呪文を唱えた。

「タイミーから来ました」

洗い場の曲芸師に出会った

店内は満席。昼時ということで、慌ただしい様子の厨房からコックコート姿の女性店員さんが来てくれた。チェックインをして、物置きでユニフォームに着替える。

この案件は「経験者歓迎」という記載があったので、ある程度飲食仕事の経験がある人向けという感じだろうか。着替え終わり、ほとんど説明もないまま厨房へと入った。

厨房はとにかく狭い。清水寺の参道にある間口の狭い店舗らしく、すれ違うのもやっとの幅だ。一番奥にある洗い場へと行き、大学生くらいのアルバイト青年から作業をバトンタッチされ、本日の業務が始まった。

厨房の狭いスペースを効率よく使うため、食洗機はシンク下のビルトインタイプだ。返却棚にはすでに多くの食器が置かれ、洗われるのを待っている。残飯類を捨て、しつこそうな汚れを予洗いで落とし、次々と食洗機に入れていく。

食洗機の処理が終わり、フロントドアを開けると、狭い洗い場の中に水蒸気が立ちこめて眼鏡が一瞬で曇る。ラックを引き出し、皿の種類ごとに片付けていく。

しかし、どうも食洗機の“洗い”が甘い。食洗機のパワーが何らかの理由で不足しているのか、普通の食洗機なら落としきるようなキャベツの残りやケチャップなどが皿に残ったままになっている。

仕方なく洗い直すことが頻繁に発生し、私の作業スピードは低下した。そして、返却棚にどんどん溜まっていく食器たち。これは難しいなと感じていたところ、さっきのアルバイト青年が機転を利かせてくれて、作業を交代してくれた。

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