スタバ、タリーズは紅茶専門店を拡大…飽和しつつある国内のカフェ業界で、コメダの和喫茶チェーン「おかげ庵」が勝ち組になれそうなワケ

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一方で各地では、長らくファミレス業界を牽引してきたガスト・ココスにかわって、さほど脂っこくない、安心感のある和食を提供する「和食ファミレス」(夢庵・資さんうどんなどが入るか)が勢力を広げている。

「おかげ庵」はこのあたりのカテゴリーで和食ファミレスと競合しても、和食ファミレスvs和(なごみ)喫茶」として棲み分け、しっかり差別化することができるだろう。

もちろん、スタバやタリーズの紅茶業態とも、差別化することができている。「次なる一手」として、各社が新業態を作ろうと模索するなかで、コメダHDだけは長い時間をかけて育ててきた業態を、ここに来て拡大に移すことができる状況なのだ。

おかげ庵 新聞町店
おかげ庵 新開町店。2017年に改称する前の「甘味喫茶 おかげ庵」看板のままだ(筆者撮影)

そして、「純喫茶」は東南アジア系のインバウンドに受けが良く、東京・虎ノ門の「喫茶ヘッケルン」、京都・三条の「スマート珈琲店」などには、いつも観光客の行列ができている。

今後の海外進出で、先行するスターバックスにコメダ珈琲店が食い込むには、純喫茶のテイストを持つ「おかげ庵」と「コメダ」の二枚看板で独自のブランディングを図ったほうが、現地で浸透しやすいだろう。

出店攻勢はあんまりなさそう?

もっとも、純喫茶という少々ニッチな文化に根差した「おかげ庵」が国内の多量出店に向くかどうか、正直わからない。

現実的には、コメダHDが研修先となる直営店を各地で立ち上げたうえで、コメダ珈琲店のフランチャイジーに「『おかげ庵』、やってみませんか?」と、打診してみるところから始まるのではないか。

おいしいもの・和食というカテゴリーからはみ出した、コメダ珈琲店にそっくりでも、ちょっと変わったチェーンストア「おかげ庵」。6月26日の「川崎西口店」オープン以降の出店未定(コメダHDに確認)ではあるが、国内外の「和食需要」にどこまで食い込んでいけるのか? 

後半記事「平気で1500円超え『コメダ』それでも愛されるワケ」では、「おかげ庵」の姉妹店・先輩格である「コメダ珈琲店」の経営ノウハウと課題を、読み解いていこう。

宮武 和多哉 ライター

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みやたけ わたや / Wataya Miyatake

バス・鉄道・クルマ・駅そば・高速道路・都市計画・MaaSなど、「動いて乗れるモノ、ヒトが動く場所」を多岐にわたって追うライター。政令指定都市20市・中核市62市の“朝渋滞・ラッシュアワー”体験など、現地に足を運んで体験してから書く。3世代・8人家族で、高齢化とともに生じる交通問題・介護にリアルに対処中。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅(既刊2巻・イカロス出版)など

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