スタバ、タリーズは紅茶専門店を拡大…飽和しつつある国内のカフェ業界で、コメダの和喫茶チェーン「おかげ庵」が勝ち組になれそうなワケ

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そのあとも、店を移動して「きしめん」「エビとじ丼」「お雑煮」などを食べ続ける。どうやら「おかげ庵」は、基本となるご飯と出汁が、しっかりおいしいようだ。

なお、コメダ珈琲店の創業者である加藤太郎氏の実家はお米屋さんだったそうで、「コメダ」の名前も「米屋の太郎」から来ているとのこと。

グループではすでに、持ち帰りおにぎり専門店「米屋の太郎」も立ち上げており、和食業態の生命線ともいえるお米、お出汁をおいしく提供できることが、今後の「おかげ庵」サバイバルの武器となっていくだろう。

おかげ庵、差別化のカギは「和喫茶=古き良き純喫茶」?

おかげ庵 抹茶クリームあんみつ
おかげ庵の「抹茶クリームあんみつ」。黒蜜をたっぷりかけていただく(筆者撮影)

「おかげ庵」本店を出てからも茶屋ヶ坂店・新開町店・篠原橋店などを渡り歩いた。どの店もコメダより高単価なシェイク・抹茶類などのドリンクが売れているようで、フードとドリンクで1000円を優に越える注文も多数。「皆さん、何でこんなに注文するの?」といったウォッチングもできて、実に有意義なランチタイムであった。

コメダの姉妹店として創業してから26年がたち、接客もいい意味でコメダより緩やか・穏やかな「おかげ庵」には、独自の文化や様式が育ちつつあるのかもしれない。

おかげ庵 抹茶シロノワール
抹茶シロノワール(筆者撮影)

コメダ珈琲店・おかげ庵などを統括する「コメダホールディングス」(以下:コメダHD)にお話を伺ったところ、「今後はおかげ庵の出店を加速させていただく段階になった」と、出店に意欲を見せていた。

コメダHDにとっては、「コーヒー豆高騰」などのリスクを抱えるコメダに次ぐセカンド・ブランドということもあってか、「おかげ庵」に期待をかけているようだ。さて、「おかげ庵」は、全国に出店していけるのか?……カギは「古き良き、純喫茶の味」による差別化にある。

これまで挙げてきたもの以外で、「おかげ庵」の人気メニューは、「レトロスパゲティー」(いわゆる「鉄板ナポリタン」)や、店内で寒天から手作りの「クリームあんみつ」や、コメダ系列として当然のようにある「シロノワール」などの甘味など。

これらのメニューは、和食を出すようなレストランではあまり出てこず、昔ながらの「純喫茶」を思い起こすもの。そもそも、「おかげ庵」の和は「なごみ」であって、和食の”わ”ではない。喫茶店王国・名古屋で育まれ、日本人になじみ深い、といった意味での「和」と言えるだろう。

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