「『あんぱん』は面白いけど、のぶが嫌い」「離脱しそう」の声が増加…ドラマは好調なのに、主人公が不人気の“逆転現象”はなぜ起こった?

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「唐突」という指摘があがったのは、愛国に目覚める展開でも同様でした。

女子師範学校で黒井雪子(瀧内公美)の厳しい指導を受けたことや、豪が出征したことがその主たる理由でしょうが、当初は「忠君愛国」の指導に疑問を感じていただけに、「なぜそこまで傾倒するように変わったのか」と戸惑いの声があがっていたのです。

第30回で新聞に掲載されて「愛国の鑑」と言われるようになったシーンでも、発案者はのぶですが、みんなで活動したのに自分の手柄になっていたことに「嫌い」という声が散見されました。

繰り返し「愛国の鑑」と称えられながら「みんなで頑張った」などと説明するセリフは見当たらず、自分の手柄として受け入れているように見えてしまうのでしょう。

戦争絡みのシーンでは、豪の戦死をめぐる蘭子とのやり取りも「共感できない」という声があがっていました。

第38回でのぶが茫然自失の蘭子に語りかけた言葉は、「『立派や』と言ってやりなさい」「豪ちゃんの戦死を誰よりも誇りに思わないと」。それを聞いた蘭子は「みんな嘘っぱちや。どこが立派なのか」と泣き叫び、母・羽多子(江口のりこ)の胸で泣き、のぶは立ち尽くすのみでした。

主人公の結婚なのに祝福しづらい

続く39回でも教え子たちから「立派な兵隊さんになります」「ウチは従軍看護婦になりたい」と言われたのぶは何も言葉をかけられませんでした。

これまでの朝ドラ主人公ならすぐに教壇へ上がって「私は間違っていたかもしれない」などと改めるか、「まだ小学生のあなたたちはそこまで言わなくてもいい」などと諭したのかもしれません。

あんぱん
教師になったのぶは日々葛藤する(画像:NHK「あんぱん」公式サイトより)

その意味で子どもたちに愛国を説き続ける、のぶは異例の朝ドラ主人公であり、賛否の声があがりやすいのでしょう。少なくとも現状では、そんな「のぶに疑問を呈する蘭子のほうが朝ドラ主人公らしく見える」と妹に感情移入する声が目立ちます。

次ページのぶを見る目がますます厳しくなった「もう1つの理由」
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