「『あんぱん』は面白いけど、のぶが嫌い」「離脱しそう」の声が増加…ドラマは好調なのに、主人公が不人気の“逆転現象”はなぜ起こった?
さらに第30回では、のぶが東京の嵩と電話中に激しい怒りをぶつけて切ってしまうというシーンがありました。
兵隊の慰問袋を作り、献金を呼びかけるなど「愛国の鑑」と称えられたのぶと、東京生活を謳歌し、図案コンクールで入選して浮かれる嵩のコントラストが描かれた一方で、「あんなに怒る必要があるのか」などと気の短い性格を否定する声があったのです。

そして第43回では、長年のぶのことを思い続けた嵩が若松次郎(中島歩)と偶然出くわし、2人の結婚を知るシーンがありました。
遅れてその場に現れたのぶは特に紹介や説明をせず、嵩をそのまま東京へ行かせてしまったのです。前話で「ウチは嵩の一番古い友だち」と言っておきながら何も伝えず、結果的に残酷な形で知らせ、フォローもしなかったことに「のぶのこういうところが嫌い」などの批判があがっていました。
そもそも大半の視聴者が、のぶにとって嵩は運命の人であり、結婚相手であることがわかっているため、「その言い方はないだろう」などと感じやすいところがあるのかもしれません。
唐突な教師の夢と「愛国」の変心
のぶの言動に疑問の声があがったのは、嵩に対するものだけではありません。
第12回では、のぶがパン食い競争に強行参加するシーンが放送されました。
女子は参加できないことを告げられても、無断で競争に乱入し、男性たちをごぼう抜きして1位でゴール。「女子が参加できない」ことは理不尽でも、すでに高等女学校の5年生が小学生のようなルール破りしたことに否定的な声があがっていました。
のぶはけっきょく失格になりましたが、繰り上げ優勝した千尋が賞品のラジオを譲ってくれたことで物語が動きはじめます。のぶはそのラジオで子どもたちにラジオ体操を教えたことで「教師になる」という夢を見つけました。
しかし、この教師という夢を見つける流れが唐突だったとともに、「ルールを破って乱入するような人は教師不適格では?」などと疑問視されてしまったのです。
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