ワークスペースを格上げする「高級デスクライト」の魅力【時を超え愛される名品から遊び心たっぷりのデザインまで】まるでアートな空間演出の巧
10万円を超えるアイテムのほとんどは、むしろ機能性はそこまで高くはない。そのかわり、著名なデザイナーや建築家が手掛けた歴史的デザインを踏襲したデザインであったり、性能よりも素材や質感、ディテールにこだわった製品が多い。このような製品は照明を点灯していないときでも存在感があり、「手元を照らす」だけではなく「空間を演出する」パワーを持っている。
現代と昔の技術が融合する「アームライト」の魅力
高級デスクライトでまずチェックしたいのが、昔から多くのファンを魅了しているデザイナーによるブランドアイコン的な製品。なかでもレトロな雰囲気が好きならばチェックしてほしいのが「アームライト」だ。
最近のデスクライトは、LED光源を幅広い板状に光らせることで、デスク全体を広く照らす製品が多い。しかし、今に続くデスクライトの名品の多くが誕生したのは1930~1980年代。このころの主流は、もちろんスポット光源である電球だ。
このため、クラシックデザインのデスクライトは手元をしっかりと照らせるよう、作業するときに光源を手元に引き寄せられる長いアームを持つ「アームライト」が多い。こういったアームライトの名品は、アームの可動域を広げるためのワイヤーやスプリングまでもデザインとして美しく成立している。
アームライトの代表的アイテムともいえるのが、イタリアの照明メーカーであるアルテミデ社の代表作「Tolomeo」。Tolomeoはイタリア屈指のプロダクトデザイナー、ミケーレ・デ・ルッキによる作品で、内蔵したバネとワイヤーのテンションを利用した「カンチレバー構造」を採用している。

この特殊な構造により軽い力でアームを自由な角度に稼働でき、使うときだけ光源を手元に引き寄せられる。本体は、高級感はありつつも重厚な印象になりすぎないアルミ材で、装飾的なデザインはまったくないにもかかわらず完成された美しさ。今でも多くの建築家などに愛されているデザインだ。

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