週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
ライフ

普通のメガネで翻訳・ナビ、AIと会話しながら検索できるように。Google I/O 2025で発表された未来の日常生活

8分で読める
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

夏以降には、Geminiをベースに開発されてきたエージェント技術「Project Mariner」も検索に導入する。Project Marinerは、AIが人間のようにウェブブラウザーを操作して作業するエージェント技術。単に検索に使うのではなく、検索に連動してチケットを買ったり、価格をチェックして目的の値段まで落ちたら通知する……といったことも可能になる。

Googleの資産をAI時代にも全面活用

Android XRもAI Modeによる検索も、コアにあるのはGeminiを活用することである。ただ、こうした製品やサービスでAIを活用するのは現在の既定路線であり、そのこと自体は他社と大きく違わない。

だが一方で大きく異なるのは、Googleには「過去の巨大な資産」がある、という点だ。

例えばAI Modeでは、Googleマップの地点情報やショッピングサービスのために蓄積された情報が活用される。現在のGoogle検索は単純にウェブサイトを探しているのではなく、ウェブサイトの信頼性や他の情報との関連性情報も加味されている。

そうした多様な要素を使って「できるだけ正確な情報を端的に表示する」ものになるよう、かなりの工夫がなされている。

AI Modeでは、それら過去にGoogleが集めた付帯情報を活用し、他のAIを使った検索サービスとは異なる結果を生み出そうとしている。

また、Googleアカウントとの連携も重要だ。過去の検索履歴に加え、夏以降には、Gmailなどに個人が蓄積した情報も検索に使う情報として活用できるようになる。もちろん、そのアカウントを使っている人にのみ影響するもので、プライバシーは守られる。

Android XRのスマートグラスは、スマホとクラウドの中にある情報をGeminiが活用し、自分のアシスタントのインターフェースになることを目指している。

どれも、Googleがこれまでに蓄積した情報や、個人のGoogleアカウントの価値を最大限に使うものと言える。

さらにAI Modeでは、今後広告連動も強化される。現状、AIの出力に広告は含めないものの、AIのまとめた文書の下や右に出る「関連項目」には広告が出るようになる。

これは、一般的なGoogle検索での「検索連動型広告」に比べ広告が目立ちづらい。従来の検索からいきなりすべてがAI Modeのほうへ移動すると、ウェブビジネスの秩序には大きな影響が出るのは必至だ。

しかしGoogleは「既存検索からAI Modeへの移行は緩やかに進む」と予測しており、短期的なインパクトは小さいとする。その予測が楽観的なものである可能性は高いが、シンプルにAI Modeだけが使われる……という訳でもないだろう。

またGoogleにECサイトが商品情報を登録し、検索連動で関連商品を掲示する仕組みがあり、Googleにとっては収益の柱の1つにもなっている。今後AI Modeでは、このショッピング連動が活用され、「自分が欲しい製品」にたどり着きやすい構造を目指すという。

AIによる連携で複雑な質問が行われ、自分が欲しいものへ到達しやすくなるなら、ショッピング連携の価値は今以上に高まる。広告価値も、広く・薄くから、より消費者のニーズに刺さるものへと切り替わっていく可能性は高い。

GoogleはAIの時代にも、既存のビジネスを捨てるつもりはない。大量に蓄積した情報とノウハウを活用し、新しいハードウエアなども使って消費者との接点を拡大しようとしているのだ。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象