普通のメガネで翻訳・ナビ、AIと会話しながら検索できるように。Google I/O 2025で発表された未来の日常生活
GoogleとOpenAIは、AIを軸にしたサービスで競合している。データ量などでOpenAIは不利だが、AIの新しい可能性を開拓するという意味ではGoogle以上の積極性がある。今後の市場で競合するには、OpenAIも新しいハードウエアを持つ必要がある。
そういう意味で、両社は正面からぶつかる状況になってきた。
検索にもAIを本格導入
そして、Android XR以上に大きな影響のある発表だったのが、本格的に検索へとAIを持ち込む「AI Mode」だ。すでにアメリカでは広く公開され、日常的に使えるものになっている。日本など他国への展開時期は未定。

ChatGPTなどにわからないことを質問する人は増えている。本質的に生成AIによるチャットサービスは情報を検索するツールではないのだが、そのように使う人は後を絶たない。
最近はAIがネット検索し、その内容をまとめ直すことで、チャットサービスをネット検索のように使える機能も増えた。中には「Perplexity」のように、最初から検索サービスを指向して作られたAIサービスもある。
Googleはネット検索とAIを分けて展開してきた。日本でも「AIによる概要(AI Overview)」という機能が提供されているが、これは検索結果をAIがまとめ直すもので、「AIと対話しながら情報を探す」ものでもない。AIがネット検索を侵食し、Googleのビジネス基盤を揺るがすのでは……というのがこれまでの論調だった。
そこにGoogleが、満を持して「AIとチャットしながら検索していく」サービスを提供した。背後では検索に特化したバージョンのGeminiが動いており、AIによる検索結果のまとめ直しも、「AIによる概要」よりかなり詳しいものになっている。

Googleは、AIによって同社の検索が影響を受けていたことを否定する。ただし、「AIによる概要」導入後、「人々がより複雑な内容を質問するようになった」(Google・検索技術責任者のリズ・リード氏)としている。AI Modeの導入も、さらに複雑な内容を質問し、検索技術を活用してもらうための方策だという。
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