
「教養」の本当の意味を理解している人は少ない(写真:KiRi/PIXT)
「教養がある人」と聞いて思い浮かべるのはどんなことだろう?
クラシック音楽を聴きながら優雅に紅茶を飲む――。教養について、多くの人はこんなステレオタイプのイメージしか持っていない。
また、ある特定のジャンルにおいて知識の豊富さをひけらかす人がいるが、彼らもまた教養人といわれるわけではない。
韓国で300万部のミリオンセラーとなり、一大教養ブームを巻き起こした『全人類の教養大全1』著者のチェ・ソンホ氏は、専門性があることと、教養とはあまり関係がないという。
真の教養人とは、ざっくりとした「幅が広くて浅い知識」を使いこなす力がある人。そして、これは学校ではなかなか教えてくれないのである。
人と人が会話するときの最低限の共通項
現代哲学の権威、ウィトゲンシュタインは自身の本『哲学探究』で次のように語っている。
「もしライオンがしゃべることができたとしても、私たちは彼らが話していることを理解できないだろう」
なぜかっていうと、生活様式がちがうからだ。与えられた環境と個人の経験がちがえば、僕たちは同じ言葉を話していたとしても、お互いを理解できない。
現代社会のコンクリートジャングルでも、僕たちはライオンに出会う。仕事を振ってくるライオンもいれば、地下鉄に座ってスマホに夢中になっているライオンもいるし、久しぶりの再会なのに自慢話をまくし立てるライオンもいる。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら