「人生100年時代」長い老後を生きるのに、同世代の友人ではなく「若い友人」が重要となる2つの理由

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しかし、平均寿命が100歳になれば、事情が変わる。新しい友達づくりの可能性が大きく開けてくる。平均寿命が延びると、新しい人間関係に投資する必要性は、これまでより人生終盤の時期にも生じるのだ。

ここでも、またしてもお馴染みのメッセージが浮かび上がってくる。エバーグリーンの人生では、人生が長くなる結果として、再生と未来への投資がきわめて重要になるのだ。

また、あるスキルの重要性も高まる。高齢になっても、差し当たり自分の感情を満足させるものにばかり意識を向けず、新しいものを追求するためには、快適でない状態を受け入れるスキルが大きな価値をもつ。

理由① 同世代同士の友情にはリスクが伴う

カーステンセンの研究を通じて、エバーグリーンの世界で世代を超えた友情がいっそう重要になる理由も見えてくる。

平均寿命が上昇しているとはいえ、死亡率は年齢が上がるとともに高くなる。そのため、高齢者にとって同世代同士の友情にはリスクが伴う。友達の誰かが死亡する可能性が相対的に高いのだ。

今日のアメリカでは、80歳の人のうち5人に3人は90歳まで生きる。しかし、裏を返せば、80歳同士の友達コンビが2人とも90歳まで生きる確率は6分の1に過ぎない。高齢になって生涯の友人を亡くせば、つらい思いをし、孤独を痛感しかねない。

その点、自分よりも若い人との友人関係に投資すれば、そのようなリスクを大幅に軽減できる。家族や親戚、近所の人、職場の同僚との絆を深めたり、もっと広い人的ネットワークを通じて人間関係をはぐくんだりすればいい。エバーグリーン型の取り組み全般に言えることだが、この点を理解するのが早ければ早いほど好ましい。

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