「ジェスチャーに矛盾」トランプ大統領“偽の白人迫害映像”を首脳会談で堂々と提示した深層心理
この複雑な表情は、トランプ大統領には向けられていません。その場にいた自国の随行者に向けてか、「そんな映像が存在するはずがないよな」という、あきれにも似た感情の共有がうかがえます。
映像が流れ始めると、ラマポーザ大統領は笑顔を保ちつつも額に緊張をにじませ、手のひらを上に向けながら、映像とトランプ大統領を交互に見つめます。何か発言しようとしますが、トランプ大統領に制止されます。
証拠の曖昧さを示す非言語的サイン
さらに続く場面で、白人農夫の墓だとされる映像が映し出されると、ラマポーザ大統領は笑顔を消し、真剣な面持ちで「これはどこの映像ですか?私は見たことがない。場所を教えてください」とトランプ大統領に問いかけます。
これに対し、トランプ大統領は、視線は映像に保ったまま、さりげなく、首を横に振りながら、「知らない、知らない」と答えます。言動が一致しているゆえ正直な反応だと考えます。
つまり、トランプ大統領は、自身が証拠として提示した映像の根拠を「知らない」と白状してしまっているのです。証拠の妥当性が低いと自覚しているにも関わらず、全世界に公開しているのです。
さらに、トランプ氏は虐殺の記事だとする紙の束を出し、「人の死だ。死、死、死。恐ろしい死だ」と発言します。ここで注目すべきは、ラマポーザ大統領ではなく、カメラに向かって語りかけている点です。

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