「毎分“最大864個”のブラックサンダー」が生まれる光景は圧巻! 豊橋に爆誕した工場見学施設に潜入、「300億を目指す」社長の戦略も聞いた
またラインナップも、ブラックサンダーは40円少々の通常版だけでなく、「生ブラックサンダー 至高の三重奏」や、「絶対的チョコ感」というキャッチフレーズが印象的な「ブラックサンダーExcellent」など、高価格帯の商品でもしっかり販売実績を挙げている。
加えて、2020年に発売した「ブラックサンダー 至福のバター」が大ヒットで業績を押し上げており、河合社長いわく「高付加価値のブラックサンダーを拡販していく」とのことだ。
なお、「ラーメン1000円の壁」(1000円を超えると割高感が出てラーメンが売れなくなる)のように、さらなる値上げで「ブラックサンダー・50円の壁」を突破したら、消費は冷え込まないのか?という、少々不躾な質問をしてみた。しかし、河合社長によると「いまの高付加価値商品のおかげで、50円以上のブラックサンダーもしっかり支持を得ている。値段に壁があるとは考えていない」とのことだった。
〈疑問③〉ブラックサンダーは、なぜ豊橋銘菓なの?

1955年に創業した有楽製菓の本社は、いまも東京都小平市にある。しかし、創業者である故・河合志亮社長(現社長の祖父にあたる)がこの地域の出身であったこともあり、もともと煎餅工場があった豊橋市の用地に、1979年に工場を開設したという。
「豊橋市アンバサンダー」の就任式典で河合辰信社長は「これまで豊橋で製造し続けていることから、勝手に“豊橋銘菓”と名乗り続けており、豊橋市から公式に活動が認められてうれしい」と語った。もう半世紀も豊橋市でお菓子を作り続け、地元の銘菓「あん巻き」「ピレーネ」などとのコラボ商品の人気もあり、まさに「豊橋銘菓」として根付いた感がある。
今回の工場見学施設「ワクザクファクトリー」や直売店が「豊橋市を代表する観光スポットになると思いますか?」と聞いたところ、河合社長から「(観光スポットに)する!という気持ちでやります」と、力強い答えが返ってきた。
有楽製菓はブラックサンダーの拡販や新工場の稼働で「年間売り上げ300億円」を達成できるのか、工場見学「ワクザクファクトリー」が「のんほいパーク」「負けヒロインが多すぎる!(豊橋市を舞台にした小説・アニメ。通称“マケイン”)」に次ぐ豊橋名物になれるのか。注目度はまさに“イナズマ級”だ。
さて、いまは「販売個数日本一のチョコ菓子」となったブラックサンダーも、1994年の発売から、すぐに終売に追い込まれている。後半記事「わずか1年で終売『ブラックサンダー』意外な過去」では、長らく低迷が続いたブラックサンダーが世に知られ、チョコ菓子界のトップランナーになるまでの「逆転劇」、その途中に起こった「2度の奇跡と、1度の“マーケティング勝ち”」を追ってみよう。中小企業だって、しっかりお客様に向きあっていれば、勝てるのだ。
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