――それは、どうすれば可能なのでしょう?
私の場合、人との繋がりは大事にしてきたと思います。さまざまな現場で仕事をしてきましたが、ご一緒していて素晴らしかった方、楽しいなと思った方とは、現場を離れてもゆるく繋がってきました。たまにご飯にお誘いして、情報交換したりしてきました。でも、意図的に人脈を作ろうと思ったわけではなくて、あくまで、そうしたいからそうしていただけなんですけどね。
――快適な繋がりだからこそ、いいご縁を運んでくれたのでしょうか。
仕事場に限らず、人間関係の質は大切ですよね。人付き合いにおいては、「誰に対してもフラットでいること」を心がけています。昔から、私はプライベートでも仕事でも人に年齢を聞かないんです。相手が20代でも60代でも、その人自身を見たいし、その人ならではの経験や知識をリスペクトしたいから。
――実際にお話ししていても、天野さんは飾らず、相手に壁を作らない雰囲気があります。
これも若い時から変わらないところかも。たとえば、25歳の女性と話していても、私のほうが学ばせてもらうことも多いです。年上だからといって一方的に知識を押し付けるのは違う。年長者でいくら素晴らしいキャリアがあったとしても、「私はこうだった」という昔話ばかりする人って、誰にとっても面倒な存在ですよね。
――そうですね。
ただ、年長者として言うべきことはビシッと言いますよ。仕事の場では、リラックスしていても、甘くなったりゆるくなるのはよくないですから。必要なことは言うし、その人が持っている可能性を信じているからこそ、きちんと向き合う。自分が何歳であろうとも、相手が年下でも年上でも、「この人の意見を聞きたい」と思われることが大切なのではないでしょうか。
大人のノーメイクは不幸に見えてしまう?!
――天野さんの専門分野である美容やメイクについても伺いたいです。今は美容医療も進化していて、年齢を重ねても美しくありたいと願う人の欲望も膨らみ続けています。人生100年時代、ずっと楽しく過ごすために、やはり、何歳になっても若さや美しさは必要でしょうか?
若さや美しさが必要というよりは、自分が求める美しさを好きなように追求していいと思います。「もういいや」と思った瞬間、人は精神面から老けてしまうのは確かですから。美容も医療も何をどこまでやるかは、個人の自由。自己責任でやりたいことをやればいいと思うんです。
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