「野村社長はアメリカに住んでいたことがあります。そこで体験したバーベキュー文化と、当時味わったようなスモーキーであったり、スパイシーだったりする肉の味わいが忘れられず、商品化してはどうかとアイデアが生まれました」(開発担当者)
開発担当者によると、野村社長は「3歩歩いたら何かを思いつく、アイデアマン」。アメリカン スモーキーチキン以外にも肉を大量に使った「ビッグマウス」シリーズや、白いゴーダチーズを使用した「キング・イエティ」の発案者でもあるそうです。
思い出の味を“完全再現” 社長も「これだよ、これ」と満足
これまでにない「骨付き肉商品」の開発はどう進んだのでしょうか。
「まずは社長から当時の思い出をヒアリングし『スパイス』『スモーキー』といった要素を掘り下げていくとともに、ファストフードとしてスピーディーに提供できることなどを条件として、開発が進みました」(開発担当者)
スパイスの配合や、鶏肉のどの部位を使うか。ならびにサイズ感やスモークウッドの選定なども行い、ブラッシュアップしていったそうです。
「特に苦労したのが、スパイスとスモークの風味をどうお届けするかです。例えば、店舗ではご提供前に揚げる工程があるのですが、3分揚げるのか、5分揚げるのかでも風味が大きく異なります。この他、ワッパー類と合わせるのを念頭に置きつつ、お酒とも一緒に楽しめるような濃い目の味付けとして、いくつか試作しながら最終形へと近付けていきました」(同前)
その他、肉のジューシー感やスパイスの香りとスモーキーさをより引き立てる狙いで、最後のひと手間として「揚げる」調理法に決定。アップルウッドとヒッコリー、さらに7種類のスパイスを使った味も香りも楽しめる商品として、前述の通り2022年6月に期間限定で登場しました。
その後、バーガーキングの強みでもある「肉」を強調するために1年ほどかけて改良を加えています。具体的には、肉を大きめのものに変更し、ピースを5から4へと減らした上で2023年10月に「アメリカン スモーキーチキン」として再度限定発売しました。
ちなみに発案者の野村社長は、完成形を口にすると「これだよ、これ」と満足気な表情になったとか。
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