ひっそり35店舗まで拡大しているタリーズの「紅茶店」。「席間はかなり広々」「新しい紅茶体験を提供」など、普通のタリーズとの"違い"を解説
コーヒーは忙しい合間のブレイクとして飲むシーンが多いとしたら、紅茶はアフタヌーンティーのように時間をかけてゆっくり味わうイメージ。「&TEA」はそうした紅茶の特性をとらえた業態づくりを行っている。
その表れとして、例えば店舗の席間はかなり広々としている。筆者が訪れた虎ノ門ヒルズ店やアトレヴィ巣鴨店は、通常のタリーズであればあと一席は詰めてしまいそうなスペースも空けて席を配置していた。席効率は落ちてしまうが、その分、趣向を凝らしたティードリンクやパティシエ監修のスイーツで単価を上げている。
この業態が特に意識しているターゲットは「新しいことに興味があるアクティブな女性」だという。内装がダークトーンでまとめられていることが多い通常のタリーズに比べ、「&TEA」は明るい色合いの木材やクリーム色を基調にやわらかな印象なのも、ターゲットを意識した結果だろう。
運営のタリーズコーヒージャパンは、この「&TEA」業態によって出店の幅を広げようとしている。実際に「&TEA」が出店している場所の近くにはすでに通常のタリーズがあるケースも多いが、業態コンセプトが異なるため至近に出店してもカニバらず集客ができるというわけだ。
同社は今後この「&TEA」と通常のタリーズの二軸で全国に展開していきたい意向。「&TEA」に関しては、「新しいことに興味があるアクティブな女性」が多い立地への出店もありうるはずだ。
通常タリーズはすでに800近い店舗を展開しているだけあり、マーケットも飽和しつつある。紅茶という新しいアイテムを打ち出した業態でプラスオンのマーケット開拓に挑む。
セブン-イレブンも紅茶に参入、紅茶カフェの追い風に
タリーズの「&TEA」に加え、スターバックスも「ティバーナ ストア」や「ティー&カフェ」といったティー(紅茶)特化業態の展開に力を入れている。先述の通りコーヒーはもう飽和状態なので、カフェチェーン各社はコーヒーに変わって紅茶を推してくることも多いにあり得ると筆者は考える。
カフェだけでない。コンビニでは、折しもセブン-イレブンが店舗の専用マシンで淹れたて紅茶を楽しめる「セブンカフェ ティー」を全国の店舗に順次導入していくと発表した。現在、導入店舗は限られているが2026年2月までに約2000店に拡大予定だという。


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