『東急100年史』は「当社の車両開発はこれまで、大規模改修を加えながら40〜50年間使用することを前提にしてきたが、利用客のニーズの変化に柔軟に対応していく必要があることなどから、ライフサイクルを約40年に設定し、製造と運用の両面でコストダウンを図るため、JR車両との共通部品も採用した新型車両に転換したのである」と背景を説明する。
東急車輛製造は2002年10月、東京急行電鉄が完全子会社化。2012年4月に鉄道車両事業はJR東日本に譲渡され、総合車両製作所となって現在に至っている。

東急の標準車両
5000系は「将来的に標準となる通勤型量産車として開発」(『東急100年史』)した車両で、目黒線には2003年3月に5080系、東横線には2004年4月に5050系が導入された。これらはまとめて「5000系シリーズ」と呼ばれることがある。車体の寸法など細部が異なるが、目立つ違いは車体に入ったラインカラーの帯と内装の色だ。
2004年2月に東横線と相互直通運転を開始した横浜高速鉄道みなとみらい線のY500系も共通設計で、東急線とカラーリングが異なるものの顔はそっくりだ。一方、2007年12月に東急多摩川線・池上線に投入された7000系や、2008年3月登場の大井町線の6000系は、顔こそ似ていないがどちらも5000系がベースになっている。

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