惜別「東京高速道路KK線」4月5日に廃止で振り返るその歴史と跡地のユニークな活用法

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そんなKK線は、首都高の路線延伸とともに、両端で首都高都心環状線(C1)、西銀座ジャンクション(JCT)で首都高八重洲線(Y)と接続し、完全に首都高の一部としての機能を担うようになり、現在まで続いてきた。

KK線と八重洲線を使うと、浜崎橋方面と竹橋方面を渋滞名所の江戸橋JCTを通らずに短絡できることもあり、大型車通行不可で最高時速も時速40kmとかなり抑えられているにもかかわらず、1日平均2.5万~3万台ほどの利用がある。

KK線の下は多くのテナントが入る商業施設となっている。銀座インズ付近(筆者撮影)
KK線の下は多くのテナントが入る商業施設となっている。銀座インズ付近(筆者撮影)

KK線が無料であるのは道路の下に14ものビルがあり、そこに入る400あまりの店舗のテナント料が、道路の運営に充てられているからだ。

ビルの中には、「銀座コリドー街」や「銀座インズ」といった、在京の人なら一度は訪れたりその前を通ったりしたであろう名の知れたところもあり、すでに銀座の風景の中にしっかりと根付いている感がある。

KK線が囲むエリアには、ちょうど銀座1丁目から8丁目までがきれいに並んでいて、KK線が銀座とともにあることがよくわかるだろう。

数寄屋橋交差点のすぐ近くに、「銀恋の碑」(銀座を歌った有名な「銀座の恋の物語」の歌碑)があるが、これもKK線の商業施設を背景に立っており、歌碑とKK線は一体のように見える。

KK線の脇に立つ「銀恋の碑」。1990年に建立された(筆者撮影)
KK線の脇に立つ「銀恋の碑」。1990年に建立された(筆者撮影)

「日本橋」付近で予定される大改造

では、なぜKK線は廃止されることになったのだろうか。それには、日本の道路の起点であり、橋自体が国の重要文化財になっている「日本橋」の存在がある。

首都高は日本橋の上を覆いかぶさるように走っているため、「景観を台無しにしている」などの声があり、首都高を地下化することが決定。それにともない、現在のKK線の地下部分に新たな道路を建設することになり、不要となるKK線の廃止が2021年に公表された。

ただし、道路を丸ごと撤去するのではなく、路面を歩行者用に遊歩道として開放し、新たな都市の観光資源として再生することになっている。

実際、その試行として、2023年5月4~5日にKK線を歩く「銀座スカイウォーク」が初めて実施され、大勢の参加者がイベントに訪れた。2024年にも同時期に開催され、3日間で1万2000人もの人が参加している。

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