日本を破った人気急上昇の台湾プロ野球、台湾の政治家が日本のドーム球場を相次いで訪問するわけ
建設を希望する声が上がる自治体が他にも相次いでいる。このように、台湾の自治体が競ってドーム球場の建設を積極化させるきっかけが「プレミア12」での優勝だったのだ。
世界2カ所で行われた「プレミア12」の予選ラウンドの1つは、台北市に新設された「台北ドーム」で開催された。台湾チームが勝ち上がっていくにつれて、台湾で熱気が高まっていく。台湾はこの予選ラウンドに勝ち残って、東京ドームで開催される決勝ラウンドに進むことになる。
台湾チームが国際大会で久々の好調だったこともあって、台湾チームと一緒に東京ドームに応援に行きたいファンが、どっと日本に押し寄せた。
さらに対戦相手は、台湾がなかなか勝てない日本。台湾チームの次に日本チームを応援するという、日本びいきの台湾の人たちにとっては最高の組み合わせだ。結果は台湾が日本に勝って優勝するという、台湾野球にとっては大変な快挙だった。
台湾には「台北ドーム」だけ
このフィーバーの中で、予選リーグの会場となった台北ドームにも注目が集まった。台北ドームは台湾で初めての、かつ台湾で唯一のドーム球場だ。この盛況を見た台北市以外の台湾の自治体が、うちにもドーム球場がほしい、となるのは当然のことかもしれない。
しかし、台湾にそんなにたくさんのドーム球場を作っていいのか。供給過剰で閑古鳥が鳴くところが出てくるのではないか。そこは論議のあるところだ。とはいえ、「台湾にはプロ野球があるので十分に回していける」という意見もある。
その台湾プロ野球は現在、6チームが所属している。日本の楽天グループが所有する楽天モンキーズがあり、日本との関係も深い。
台湾プロ野球は、1990年に4チームで試合がスタートし2025年で36年の歴史を持つ。私事で申し訳ないが、台湾プロ野球の発足当時、私が勤めていた台湾のラジオ局の社長が台湾プロ野球の初代コミッショナーに就任したことから、私たちも日本から訪れる野球関係者の通訳に駆り出された。台湾プロ野球の創世期に立ち会うことができて、とても楽しい体験だった。
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