「出どころは政界に残った“最後の使途不明金”では」　自民党商品券問題、立憲民主・小川淳也が「政倫審」での弁明要求にこだわる理由

――石破茂首相が新人議員に10万円分の商品券を配っていた問題が世間を騒がせています。ただでさえ苦境の石破政権に大きな打撃となっていますが、小川さんは本件についてどういう問題意識を持っていますか？

自民党に連綿と続いてきた体質が、石破さんになっても変わっていなかったということでしょう。（政策論議において）高額療養費の問題で判断が二転三転するなど、石破さんの決断力に対する信頼が傷ついていたところにこの問題。泣きっ面に蜂じゃないですが、今回の事態が深刻化した背景にはそういった事情があったのではないかと思います。

石破さんは、商品券の配布について「（個人によるもので）政治活動ではない」「違法性はない」といった弁明をしていますが、それは通用しないのではないでしょうか。もし「個人的に渡したものだ」という言い訳でOKなのであれば、「政治家個人にお金を渡してはいけない」という、その法律自体がいらないですよね。

加えて、あの石破さんがああいう言い訳をしているのかという点も含め、この問題はちょっと深刻だなと感じます。

最後に残った”政界の使途不明金”

――今回の商品券配布のようなことは、民主党政権のときには行っていなかったし、民主党議員はもらっていなかったといえますか？

少なくとも私はもらったことがありません。一方で、民主党が政権についていた当時、私は駆け出しの議員でしたから、中枢が何をどうしていたのか、はっきりしたことは知りません。

ただこれに関連していうと、今回石破さんは「ポケットマネーから出した」と言っていますが、総額150万円というのは総理大臣といえどその月に受け取ったお給料の大半を占める額だと思います。しかも10回くらい配ったと自白しているわけですから、単純計算で1500万円にも上ります。これは嘘だろうと、普通思いますよね。

政界はようやく今、政策活動費という使途不明金の全廃に到達し、そして今年、文書交通費の全面公開にも踏み切るわけです。そんな中でも“最後に残った使途不明金”といえるのが、官房機密費です。

その扱いがどうなっていたのかは、今の石破政権もそうですし、民主党政権のときも、何かしら突っ込まれる要素があるのではないかと言われると正直わからない。「何もないです」とは言い切れません。

――つまり、今回のお金の出どころも官房機密費なのではないかと？

そういう疑いを私は持っています。私だけでなく、多くの方がそう思っているのではないでしょうか。