鳴き声がかすれた12歳のオカメインコの死 原因は「老衰」ではなかった? ケージはこまめに掃除を。でも、除菌・消毒スプレーには要注意

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実際、筆者も出張から帰ってきて、久しぶりにインコのにおいを嗅ぐと、落ち着きます。

ただし、ネコ吸いも鳥吸いも、過度な接触という点において、みなさんにその生き物へのアレルギーを引き起こす可能性がありますから、ほどほどにお願いしますね。

声がかすれて亡くなったオカメインコ

ところで、インコは呼吸器に関連した病気を起こしやすい動物です。

ある日、女性の飼い主さんが亡くなったインコを僕のところに連れてこられました。12歳になるメスのオカメインコで、一人暮らしを始めた頃にお迎えし、それ以来、大切に育ててきたといいます。

最近、放鳥時に呼吸が荒くなることが増えたものの、飼い主さんは「高齢のせいだろう」と考えていたそうです(一般的に、飼育下のオカメインコの寿命は約15年です)。

しかし、そのうち鳴き声がかすれるようになり、ようやく動物病院を受診しましたが、原因不明のまま、ほどなくしてオカメインコは亡くなってしまいました。

せめて死因を知りたい――。そう思った飼い主さんからの依頼は、コスメティック剖検でした。

以前の記事でもご紹介しましたが、これは遺体の外観を大きく損なうことなく行う病理解剖です(過去記事:ペットを「おくりびと」に託した飼い主の深い愛情)。その選択からも、飼い主さんが亡くなったオカメインコを大切にしていたことがうかがえます。

解剖を始めてみるとすぐに、鳴管(めいかん:鳥の気管下部にある発声器官)に黄白色のかたまりを見つけました。かたまりの正体はカビ(真菌)です。鳴管でカビが増殖し、カビを排除するためにやってきた白血球の死骸が空気の通り道をふさいでいたのです。

大谷さんの家のオカメインコたち。長生きしている子は18歳になる(写真:大谷さん撮影)
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