「サムスンらしさを失った」「一度死ぬ覚悟で」と役員に迫った李在鎔会長が抱える危機感とは何か

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2025年2月、韓国・ソウルの裁判所を離れるサムスン電子の李在鎔会長。スキャンダルの呪縛からようやく離れた李会長が、役員に向けて檄を飛ばした(写真・2025 Bloomberg Finance LP)

「サムスンらしい底力を失った。経営陣から徹底的に反省し、『死即生』の覚悟で果敢に行動する時だ」

韓国・サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン、56)会長が自社グループの役員らに向けて、「強いサムスンパーソン」に生まれ変わることを求めた。

「サムスン精神の再整備」

サムスンが半導体やディスプレーなど各分野で強い競争力を示すことができないまま、アメリカのトランプ大統領が高関税政策など対外的に強硬な姿勢を打ち出している。そのような中、李会長が経営陣に対して「精神の再整備」、気をさらに引き締めるように厳しく注文した。

李会長の今回の発言は、父であり先代の会長である故・李健熙(イ・ゴンヒ、1942~2000年)氏が1993年、ドイツ・フランクフルトで発表した「新経営宣言」に匹敵しているという声も一部から出ている。

李健煕氏はこのとき「妻と子ども以外はすべて変えよう」と述べ、今後の経営を根本から変えるべきだと訴えた。

サムスン電子によると、李会長は2025年3月17日、サムスンの全系列会社の役員2000人を対象に、「21世紀を主導し、永遠に続くかと思われた30の代表企業のうち24社が新しい革新企業によって舞台から追い出された。時代の流れを読めず、変化に適時に対応できなかったからだ。他人事ではない」と強調した。

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