「春は日本向けのニュースがたくさん」iPhone担当役員が語るiPhone 16e、C1モデム、日本市場
価格を抑えることと、性能や仕上げの質を高めることを両立するために、色の数は絞り込んでいるという点は、納得がいく。ケースをつけると、本体の色がそこまで気にならなくなる、というのも事実だ。
iPhone 16eには、上位モデルが備えている磁石を用いて充電の位置合わせができるMagSafeや、AirTagを探す際に正確な方向と距離を計測できるUWBが省かれた。
特にUWBについては、ドランス氏もAirTagをとても気に入っているそうで、iPhone 16eで精密な距離と方向が調べられない点が惜しい、という気持ちには共感を寄せていた。
「確かにAirTagやMagSafeを気に入っている方は(私も含めて)たくさんいます。
しかし、世の中のすべての顧客がそれらを必要としているわけではなかったのです。たとえばQiのワイヤレス充電ができれば十分という声や、精密な検索ができなくてもAirTagが使えればいい、という声がありました。
もし、MagSafeやUWBをフルに活用されたいという方は、ほかのモデルを選んでいただけるようにしています」(ドランス氏)
となると、iPhone 16eの登場で、iPhoneラインナップ全体への影響や、iPhone選びにも変化が生じたのではないか。
「これまで、価格面を重視する人のためのiPhoneがありませんでした。iPhone 16eが加わったことで、価格の幅が広がり、機能や色などを含め、より多くのお客様に合う選択肢が揃ったと考えています。
また、iPhoneはリセールバリューが高いので、下取りを活用すれば、より手が届きやすい価格になります。長く使った後でも高く買い取ってもらえる点は、魅力になると思います」(ドランス氏)
Apple C1モデムの秘密
今回のiPhone 16eには、アップル設計のモデムチップ「Apple C1」が初めて搭載された。
レビューで東京都内、そして新幹線に乗って京都府・奈良県への出張の間も含めて、問題ないどころか、バッテリー効率が極めて高いチップであることもわかってきた。

では、Apple C1は、どんな役割を果たしているのか。
「Apple C1は1つのモデムチップというより、複数のチップ、ファームウェア、ソフトウェアを含む『モデムシステム』なのです。2Gから5Gまで幅広くカバーするだけでなく、衛星通信による緊急SOSや、GPSにも対応します。
その中で我々が特にこだわっていたのが省エネルギー性能。たとえばiPhone 15に搭載していたモデムより25%省電力化し、歴代iPhoneの中で、最高水準の省エネを実現しました。
さらに、省スペース化によって、より大きなバッテリーを搭載する内部スペースも生み出すことができました」(ドランス氏)
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