卵の高騰で注目される「液卵」の大いなるメリット 家で作るだし巻きが“店の味”にグレードアップ

これまで無料だったご飯の大盛りやおかわりが有料になったり、とんかつなどの揚げ物に添えられたキャベツも量が減ったりと物価高騰の影響を目の当たりにするようになった。卵は「物価の優等生」とされていたが、それも今は昔。
JA全農たまごによると、東京地区における今年1月のMサイズ1キロの平均価格は258円。クリスマスケーキなど需要の高かった昨年12月よりも32円値下がりしたが、1月31日の時点で305円まで上昇している。さらに2月には315円まで上昇し、統計を取り始めた1993年以降、2月としては2番目に高くなった。
欧州で売られていた「家庭用液卵」に着目
農水省は1月に鳥インフルエンザの発生が相次ぎ、供給量が落ち込んだことが影響しているとしている。また、2020年頃から世界的に穀物需要が高まったのを皮切りに、ウクライナ侵攻で飼料が高騰しているのも卵が値上がりした原因でもある。
そんな中、1月24日に開かれた農水省の記者会見で卵を大量に使うメーカーに「液卵」を活用するように呼びかけた。「液卵」とは、卵の殻を取り除き、黄身と白身を撹拌したものだ。一般にはあまり知られていないが、黄身と白身が混ざり合っている利便性と価格が安定していることから、主にパンや菓子などの食品メーカーが使用している。

愛知県豊橋市にある1937年創業の「丸鳥鶏卵」は、もともとスーパーなどで販売されているパック卵がメインで、液卵はその片手間に1日1トンほどを製造していた。食品メーカーに卸すほどの量でもなく、主に自社で製造する卵焼きに使用していた。
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