横置きエンジンの前輪駆動パワートレイン、オイルとガスを用いたサスペンション、2ボックスのパッケージングはそのままに、リアにはハッチゲートを用意し、後に5ドアも追加された。ミニと同様、外寸の割に車内が広いことがアピールポイントだ。

しかし、開発に手間取り、1980年にデビューしたときには、スタイリングはさほど新鮮ではなくなっていた。そのこともあり、思ったような販売成績は挙げられなかったようだ。
それでもBLは、メトロを「次期大衆車の本命」と考えており、オースチンブランド以外に、ミニ・クーパーの後継車といえる高性能版を「MG」ブランドで用意すると、WRC(世界ラリー選手権)参戦用のミッドシップ4WD「MGメトロ6R4」を送り出した。
その後、1990年にはパワーユニットを一新し、車名も「ローバー100」と変わった。日本でも「ローバー114」の名で販売されたから、知っている人もいるだろう。しかし、ボディの骨格は同一だったために古さが目立つようになり、1998年に生産を終了している。
BMW傘下となったローバー・グループの末路
当時、BLはローバー・グループを経て、BMW傘下に入っていたが、BMWはミニだけを手元に残し、それ以外のブランドは売却することを決定。2001年に登場したBMWプロデュースのミニが、クラシック・ミニの後継車として発表されたのだった。これが、現在のミニの成り立ちである。

ちなみにBMWの手を離れたローバー・グループのうち、SUV部門であるランドローバーは一度、フォード・グループの手にわたったが、現在は最初に紹介したジャガーとともに、インドのタタ・グループに属し、JLR(ジャガー・ランドローバー)となっている。
残りはMGローバーとして再独立したものの、その後、中国の上海汽車のもとで、MGブランドのみが存続することになり、現在は電動オープンスポーツカー「サイバースター」、SUVの「HS」、コンパクトな「3」などをラインナップしている。
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