大阪・関西万博の目玉「未来の都市」パビリオンを体験 水中工事や変形農業ロボットなど、迫りくる近未来の姿とは?

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スマホから「未来の都市」パビリオンのエッセンスを楽しめる(筆者撮影)

「バーチャル未来の都市」は万博開幕と同日の4月13日にリリース予定で、 「αU(アルファユー)」アプリで誰でも無料で体験できるようになる。 館林部長は「現実会場に行く前の予習や、展示後に『実際の町に導入するとどうなるか』を想像する体験ツールとして活用してほしい」と語る。

未来社会の一端を体感する機会に

こうして完成した「未来の都市」パビリオンは、単なる企業展示を集めただけの場所ではない。12者の強みが結びついて、2030年代に実現し得る社会像を立体的に描こうとしている点が最大の特徴だ。

日立製作所の平井裕秀常務は「このパビリオンを通じて、社会にどんな提案ができるのか、来場者と一緒に未来をつくりたいというメッセージを発信していきたい」と語り、KDDI 先端技術統括本部 先端技術研究本部 本部長の宮地悟史氏も「社内の多方面が参加し、ビジョンをどう形にするか議論を重ねた結果が今の展示につながっている」と説明する。

技術展示とはいえ、難しい専門用語が連なるのではなく、アトラクションを楽しむかたちで未来の姿を学べるように設計されているのも大きな魅力だ。子どもからビジネスパーソンまで幅広い来場者層が自分ごととして未来を考えられる構成が随所に見られる。

特に印象的なのは、交通、エネルギー、食、建設などが互いに連携し、データが様々な領域を横断して循環する社会像だ。分野の垣根を越えてイノベーションが生まれる「分野横断型イノベーション」の大切さが、パビリオン全体をとおして強く訴えかけられている。

「Society 5.0」の掲げる未来は、私たちの生活そのものを大きく変革すると期待される。このパビリオンで示された技術やビジョンが、2035年にはどこまで実現しているのか──その答えは、ここを訪れた人々自身が未来をつくり上げるプロセスの中で、きっと見つけていくことになるだろう。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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