豪州やNZで「日本人の鉄道旅」が激減した原因 ワーホリで渡航したのに「仕事がない」悲哀

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当時、ニュージーランドへの観光客が必ず訪れるといってもいい南島のクイーンズタウン近くにあるミルフォードサウンドの観光船では、船内での昼食が用意されていたが、そのメニューはビュッフェまたは日本食であった。日本食は重箱に入ったお弁当スタイルで、ふりかけまで添えられていた。

ニュージーランド航空利用のツアー催行会社の営業マンは、1年以上前から翌年の大安吉日などの記されたカレンダーをいち早く入手し、料金設定に余念がなかった。大安吉日翌日の日本出発便は1年前から満席などということもあった。新婚旅行需要は、キャンセルになりにくい「堅い予約」だったのである。

激減した新婚旅行需要

こんなこともあった。当時、やはり人気の高かった地域にニューカレドニアがあり、エアカレドニアインターナショナルが日本から直行便を運航したが、業界向けのセールスポイントに座席配置が2-4-2のエアバス機であることがあった。

ボーイング機には3-3-3や3-4-3と3人掛けが多く、新婚旅行の多いツアーなどに適さない、添乗員泣かせの配置だったのである。2-4-2座席配置がセールスポイントになるほどに、多くの新婚旅行客需要があったのである。

現在は新婚旅行どころか、結婚する人そのものが激減、ニューカレドニアは治安悪化などから便が運休になり、現地で日本人観光客のお手伝いをする日本人スタッフの需要はなくなったのである。

お土産店などで日本人スタッフが必要だった理由には、日本人は多くのお土産を購入するという特性もあったからだ。とくに新婚旅行などは結婚式に来てくれた人、2次会に参加した人などへのお土産は欠かせなかったので、同じものを大量購入する必要もあった。

この時期、航空各社は日本路線を特別に見ていて、機内誌より立派な日本語版機内販売カタログを用意し、機内販売に力を入れた。機内に積める品物の量にも限りがあるのでプリオーダーシステムが充実したのもこの頃である。

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