「どうしてこんなことに…」7年前から“絶対に入れてくれない”母が暮らす「驚く部屋の事情」…実家はとんでもない“モノ屋敷”になっていた

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「収納をきっちりしすぎても、そこに戻すことが面倒になってしまいます。過度な“収納”はモノを使いづらくしてしまうことがあるんです」(二見氏)

たとえばタッパー。用途や大きさによって使い分けようとすると、どうしても数が増えてしまう。かさばるので容器と蓋をバラバラにして収納することになるが、いざ使うときに容器に合う蓋が見つからない。そして、だんだんと使う頻度が減り、ホコリまみれになっていく。

冷蔵庫の中の収納を便利にするトレイも使いすぎはよくない。収納の効率を上げるとモノがたくさん入るようになる。そうして冷蔵庫の中がギチギチになってくると、奥のモノを取り出すときにほかのモノも外へ出さないといけなくなる。当然、自然と奥のモノは使わなくなり、同じモノをいくつも買ってしまう要因になってしまう。

ゴミ屋敷
細かい雑貨類や薬などが散らばった室内(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
ゴミ屋敷
隣の部屋には思い出のモノがギッシリ(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)

母も肩の荷がすっと下りた

作業開始から約3時間で片付けは終了。遺影のほかに家族の写真やアルバムも見つかった。それらを押し入れにレイアウトして、依頼主の到着を待った。

「母に電話をしたら、母自身も肩の荷が下りて楽になったようでした。母はずっと安定剤を飲んでいたので、その量も減らしていければと思います。最初は恥ずかしいという気持ちもあったんですが、ここまでくるとそれよりも生活が危うくなってきます。同じような境遇にある方も、怖がらずにまずは電話してみるのが大事だと通感しました」(長女)

母親はすでに次女と2人で落ち着いた生活を送っているという。

ゴミ屋敷
食品やモノで溢れていたキッチンも綺麗に生まれ変わった(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
ゴミ屋敷
玄関から見た、片付け後の室内。モノが一掃され、広々と見える(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
國友 公司 ルポライター

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くにとも こうじ / Kozi Kunitomo

1992年生まれ。筑波大学芸術専門学群在学中よりライターとして活動。訳アリな人々との現地での交流を綴った著書『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)が文庫版も合わせて6万部を超えるロングセラーに。そのほかの著書に『ルポ路上生活』(KADOKAWA)、『ルポ歌舞伎町』(彩図社)がある。

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