「『もう迷惑かけられないし』とは常々口にしていました。私たちも『親子なんだからやるよ』と言うのですが、やっぱり入れてくれない。今回、東京に引っ越す話が出て、ようやく家の中に入ることができたんです。(立ち会うのが嫌だと)業者を呼ぶのも嫌がっていて、『私が東京に行ってからにしてほしい』と」
女性には、息子が1人と娘が3人の計4人の子どもがいた。しかし、娘のうち1人は若くして他界。また、夫も先に亡くしていた。そんな折、依頼主の妹が関西地方から東京へ引っ越すことになった。

生活のやる気がどんどん削がれていった
精神安定剤の服用が必要など母親の体調が優れなかったため、これを機に次女と一緒に上京することになった。そして、引っ越しの準備をするために母親の家へ行くと、娘たちの想像を超える「モノ屋敷」になっていたというわけだ。
7年ぶりに母親の部屋を見たときの心境を、長女が振り返る。
「悲しかったですね。泣けてきたっていうか。こんなところで生活していたのって。散らかっている部屋で暮らすのは嫌だったんでしょうけど、普段はつらい素振りを見せていませんでした。
私の家に来ると『あれしーや、これしーや』と言いながら動くんですけど、自分1人だと何もやらなくなってしまったのかと。それが積み重なって、どんどんやる気が削がれていったのかなって。本当に“ごめんなさい”という気持ちしかありません」

家の中にある仏壇もホコリまみれで、触れてもいなかった。その様子からセルフネグレクト状態であったことが想像できるが、娘たちは顔を会わせていたにもかかわらず、どうして気付くことができなかったのか。イーブイの動画に寄せられるコメントにも同様の意見が見受けられるが、二見氏はこう考えている。

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