布団の上には湿布、フルーツグラノーラ、サプリメントなど、頻繁に使っていたモノが散らばっている。その一部を除いたほとんどのモノには長年のホコリがかぶっていた。家中がそんなホコリのかぶったモノでいっぱいだった。


「そのホコリから母親の生活が自然と浮かび上がってきました。調味料の類いがキッチンにもリビングにも大量にあったので、自炊をされていたんだと思います。ローテーブルとキッチンだけを行き来する生活が続き、その周りはモノが溜まっていく一方。ただ、生ゴミだけは処分していたようで、典型的な“モノ屋敷”のご自宅でした」(二見氏)
生ゴミを捨てることはできても、掃除をすることはできなかった。キッチンにあるガスコンロには真っ黒な油汚れが目立ち、乾ききったパスタの麺が張り付いている。ここ数年、一度も掃除をしていないかもしれない。

頑なに子どもたちを家に入れなかった
イーブイに片付けの依頼をしたのは母親の長女(50代)だった。
「この家にはもともと私と母が2人で住んでいました。私が結婚をして家を出てから10年間、母が1人で住んでいます。母は前にも一度、家を散らかしてしまったことがあり、そのときは私と妹で片付けました。その後も病院に連れて行くときなど、毎週会ってはいたんですが、7年ほど前から家の中に入れてくれなくなってしまったんです」(長女)
一度家の片付けをしてもらったことが負い目となり、子どもに気を遣い始めてしまったのかもしれない。「もし散らかっているのなら、また片付けようか?」と子どもたちが母に提案しても、「自分でやるからいい」と頑なに家に入れようとしなかった。

無料会員登録はこちら
ログインはこちら